(個人資産)2級FP 2017年1月 問9

《設 例》
Aさん(60歳)は、妻Bさん(57歳)、長男Cさん(28歳)および長女Dさん(24歳)との4人暮らしである。Aさんは、平成28年5月末に、それまで38年2カ月勤務していたX株式会社(以下、「X社」という)を退職し、その後、再就職はしておらず、今後も再就職をする予定はない。
Aさんの平成28年分の収入等に関する資料等は、以下のとおりである。
〈Aさんの家族構成〉
・Aさん :38年2カ月勤務していたX社を平成28年5月末に退職した。
・妻Bさん :平成28年中にパートにより給与収入98万円を得ている。
・長男Cさん:会社員。平成28年中に給与収入450万円を得ている。
・長女Dさん:大学院生。平成28年中に収入はない。
〈Aさんの平成28年分の収入等に関する資料〉
・X社からの給与収入の金額(1~5月分) : 240万円
・X社から支給を受けた退職金の額 :3,000万円
※Aさんは、退職金の支給を受ける際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している。
・賃貸アパート(居住用)の不動産所得に係る損失の金額 :150万円
※上記の損失の金額には、不動産所得を生ずべき土地等を取得するために要した負債の利子の額に相当する部分の金額15万円が含まれている。
※Aさんは、青色申告の承認を受けていないものとする。
※妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※家族の年齢は、いずれも平成28年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問9
Aさんおよびその家族の平成28年分の所得税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

① Aさんの平成28年分の所得税の計算において、賃貸アパートの経営による不動産所得に係る損失の金額150万円は、その全額が損益通算の対象となる。
② Aさんの平成28年分の所得税の計算において、総所得金額から所得控除額を控除しきれなかった場合、控除しきれなかった所得控除額は退職所得の金額から控除することができる。
③ 妻Bさんが負担すべき国民年金の保険料を長男Cさんが支払った場合、その保険料は長男Cさんの所得の金額の計算上、社会保険料控除の対象とすることができない。

[解答] ① × ② ○ ③ ×
[解説]
① 不動産所得の損失は損益通算の対象だが、土地等を取得するために要した負債の利子額である15万円は損益通算できない。よって、損益通算できる不動産所得の損失額は135万円となる。
② 損益通算でも控除しきれない場合、給与所得や雑所得などの経常グループ、譲渡所得や一時所得の一時グループと損益通算し、それでも損失が残る場合は、山林所得、退職所得と損益通算することができる。
③ 社会保険料を支払ったものが控除を受けられるので、長男Cは控除できる。

解答解説