2級FP 2017年1月 問題4

問題 4
労働者災害補償保険の給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 業務上の疾病の療養により労働することができないために賃金を受けられない場合、賃金を受けない日の第1日目から休業補償給付が支給される。

    [解答解説] ×
    不適切である。労災の休業補償給付は賃金を受けない日の4日目から支給される。


    [プラスα]
    労働者が、業務または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため労働することができず、賃金を受けていないとき、その第4日目から業務災害なら休業補償給付が、通勤災害なら休業給付が支給されます。
    支給額は、休業補償給付(給付基礎日額の60%)と休業特別支給金(給付基礎日額の20%)です。
    なお、休業の初日から第3日目までを待期期間といい、この間は業務災害の場合、事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償(1日につき平均賃金の60%)を行います。
    また、例えば通院のため、労働者が所定労働時間のうち一部を休業した場合は、給付基礎日額から実際に労働した部分に対して支払われる賃金額を控除した額の60%にあたる額が支給されます。

  2. 労災指定病院で療養補償給付として受ける療養の給付については、労働者の一部負担金はない。

    [解答解説] ○
    適切である。業務上の病気やケガの場合、労災指定病院を利用すれば一部負担金はない(健康保険を利用すると3割負担等である)。


    [プラスα]
    労働者が業務または通勤が原因で扶養したり、病気にかかって療養を必要とするとき、業務災害なら療養補償給付が、通勤災害なら療養給付が支給されます。
    療養の給付は、労災病院や指定医療機関・薬局等(指定医療機関等)で、無料で治療や薬剤の支給等を受けることができます(現物給付)。
    療養の費用の支給は、近くに指定医療機関等がないなどの理由で、指定医療機関等以外の医療機関や薬局等で治療を受けた場合に、その療養にかかった費用を支給する現金給付です。
    給付の対象となる療養の範囲や期間は現物給付も現金給付も同じです。療養(補償)給付は、治療費、入院料、移送費など通常療養のために必要なものが含まれ、傷病が治癒(症状固定)するまで行われます。

  3. 業務上の傷病が治癒し、身体に一定の障害が残った場合、その障害の程度が労働者災害補償保険法に規定する障害等級に該当するときは、障害補償給付が支給される。

    [解答解説] ○
    適切である。障害補償給付は、業務上の傷病で障害等級等に該当する障害が残った場合に支給される。


    [プラスα]
    業務または通勤が原因となった負傷や疾病が治ったとき、身体に一定の障害が残った場合には、業務災害なら障害補償給付が,通勤災害なら障害給付が支給されます。
    障害等級第1級から第7級に該当すると、障害(補償)年金、障害特別支給金、障害特別年金が、障害等級第8級から第14級に該当すると、障害(補償)一時金、障害特別支給金、障害特別一時金が支給されます。
    また、労災保険の傷病が「治ったとき」とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうのではなく、傷病の状態が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいい、この状態を労災保険では「治癒」(症状固定)といいます。したがって、「傷病の症状が、投薬・理学療法等の治療により一時的な回復がみられるにすぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断される場合には、労災保険では「治癒」(症状固定)として、療養(補償)給付を支給しないことになっています。

  4. 業務上の傷病により死亡した場合は、葬祭を行う者に葬祭料が支給される。

    [解答解説] ○
    適切である。業務上の傷病による死亡の場合、埋葬料が支給される。

[解答] 1
[補足]
労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。
労災保険は、原則として一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用されます。なお、労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。
労災保険給付の算定の基礎となる給付基礎日額については、労災保険法第8条の3等の規定に基づき、毎月勤労統計の平均給与額の変動等に応じて、毎年自動的に変更されております。
(出典:厚生労働省HP)

解答解説