(生保顧客)2級FP 2017年1月 問14

《設 例》
 Aさん(72歳)は、大都市圏にあるX市において、個人で不動産賃貸業を営んでいる。Aさんの推定相続人は、妻Bさん(70歳)、長男Cさん(45歳)および二男Dさん(43歳)の3人である。
長男Cさんは、X市内の企業に勤務しており、Aさん宅から比較的近い場所に住んでいる。他方、二男Dさんは他県にある上場企業に勤務しており、仕事の関係上、X市に戻る意思はない。
 Aさんは、自己の相続に関し、不動産賃貸業を手伝ってくれている長男Cさんに賃貸ビルを相続させたいと考えている。しかし、二男Dさんは長男Cさんとは仲が悪く、以前から、「Aさんの相続が発生したら、相当額の財産を相続しなければ納得できない」と言っている。Aさんは、長男Cさんに偏った相続が行われると、長男Cさんと二男Dさんとの間で争いが起こるのではないかと心配している。
<Aさんの推定相続人>
妻Bさん : Aさんと同居し、生計を一にしている。
長男Cさん : 会社員。妻と子2人(17歳・15歳)の4人暮らし。
二男Dさん : 会社員。妻と子1人(14歳)の3人暮らし。
<Aさんが保有する主な財産(相続税評価額)>
現預金 : 6,000万円
自宅(敷地330㎡) : 3,000万円
自宅(建物) : 1,000万円
賃貸ビル(敷地400㎡) : 1億2,000万円
賃貸ビル(建物) : 7,000万円
※敷地は、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額
<Aさんが加入している一時払終身保険の内容>
契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
死亡保険金受取人 : 妻Bさん
死亡保険金額 : 1,500万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問14
Aさんの相続に係る遺産分割に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ヌのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

Ⅰ 「仮に、Aさんの相続に係る遺留分算定の基礎となる財産の価額を3億円とした場合、二男Dさんの遺留分の金額は、( ① )万円になります。Aさんについて相続が開始し、長男Cさんが賃貸ビルなど相続財産の大部分を取得したならば、二男Dさんの遺留分は侵害される可能性があります。遺留分が侵害された場合、遺留分権利者である二男Dさんは、Aさんの相続の開始を知った時から( ② )年以内に遺留分減殺請求権を行使することにより、遺留分を保全することができます」
Ⅱ 「 Aさんの相続開始後、相続税の申告期限までに遺産分割協議が調わなかった場合、『配偶者に対する相続税額の軽減』『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることはできません。ただし、相続税の申告の際に『申告期限後( ③ )年以内の分割見込書』を提出し、申告期限後( ③ )年以内に遺産分割協議が成立したならば、『配偶者に対する相続税額の軽減』『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることが可能となり、分割後4カ月以内に更正の請求を行うことができます」
Ⅲ 「遺産分割を巡る争いを防ぐ手段として遺言書の作成をお勧めします。遺言の効力を確かなものにすることを考えると、( ④ )証書遺言の作成が望ましいと思います。( ④ )証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成します」

〈語句群〉
イ.1 ロ.3 ハ.5 ニ.10 ホ.3,750 ヘ.7,500
ト.1億5,000 チ.自筆 リ.秘密 ヌ.公正

[解答] ① ホ ② イ ③ ロ ④ ヌ
[解説]
① 二男Dさんの遺留分は、法定相続分の1/2なので、1/8である。よって、3億円×1/8=3,750万円
② 相続の開始を知った時から( ② 1)年以内である。
③ 申告期限後( ③ 3)年以内に遺産分割協議が成立すれば、『配偶者に対する相続税額の軽減』『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができる。
④ 証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成するのは( ④ 公正)証書遺言である。

解答解説