(生保顧客)2級FP 2017年1月 問15

《設 例》
 Aさん(72歳)は、大都市圏にあるX市において、個人で不動産賃貸業を営んでいる。Aさんの推定相続人は、妻Bさん(70歳)、長男Cさん(45歳)および二男Dさん(43歳)の3人である。
長男Cさんは、X市内の企業に勤務しており、Aさん宅から比較的近い場所に住んでいる。他方、二男Dさんは他県にある上場企業に勤務しており、仕事の関係上、X市に戻る意思はない。
 Aさんは、自己の相続に関し、不動産賃貸業を手伝ってくれている長男Cさんに賃貸ビルを相続させたいと考えている。しかし、二男Dさんは長男Cさんとは仲が悪く、以前から、「Aさんの相続が発生したら、相当額の財産を相続しなければ納得できない」と言っている。Aさんは、長男Cさんに偏った相続が行われると、長男Cさんと二男Dさんとの間で争いが起こるのではないかと心配している。
<Aさんの推定相続人>
妻Bさん : Aさんと同居し、生計を一にしている。
長男Cさん : 会社員。妻と子2人(17歳・15歳)の4人暮らし。
二男Dさん : 会社員。妻と子1人(14歳)の3人暮らし。
<Aさんが保有する主な財産(相続税評価額)>
現預金 : 6,000万円
自宅(敷地330㎡) : 3,000万円
自宅(建物) : 1,000万円
賃貸ビル(敷地400㎡) : 1億2,000万円
賃貸ビル(建物) : 7,000万円
※敷地は、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額
<Aさんが加入している一時払終身保険の内容>
契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
死亡保険金受取人 : 妻Bさん
死亡保険金額 : 1,500万円
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問15
Aさんの相続等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. ① 「 仮に、妻Bさんが『特定居住用宅地等』に該当する自宅の敷地(330㎡)と『貸付事業用宅地等』に該当する賃貸ビルの敷地(400㎡)を相続により取得した場合には、それぞれの適用対象面積(730㎡)まで『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができます」

    [解答解説] ×
    不適切である。貸付事業用宅地等をまったく選択しなければ合算できるが、一部で選択する場合、調整することになる。

  2. ② 「現時点(平成29年1月22日)において、Aさんの相続が開始した場合、妻Bさんが受け取る死亡保険金のうち、相続税の課税価格に算入される金額は500万円となります」

    [解答解説] ×
    不適切である。法定相続人は3人なので、500万円×3=1,500万円 が非課税枠となる。この1,500万円の非課税枠を死亡保険金の受取額の割合に応じて割り振るが、受取人は妻Bのみなので、非課税枠全額利用できる。よって、相続税の課税価格に算入される金額は0円となる。

  3. ③ 「契約者および死亡保険金受取人を長男Cさん、被保険者をAさんとする終身保険に加入し、長男Cさんが負担する保険料相当額の現金をAさんが贈与することも検討事項の1つです。納税資金の確保に加えて、二男Dさんに対する代償交付金の準備もできます」

    [解答解説] 〇
    適切である。Aさんに事業承継させたいため、長男Cと二男Dとの相続額に差が出てしまう。そのため、長男Cに死亡保険金を受け取れるようにし、二男Dへの代償交付金の原資とする。なお、二男Dへ死亡保険金を受け取れるようにしてしまうと、保険契約は個人の資産とみなされているため、二男Dは保険契約を除いた資産を要求することができてしまう。

[解答] ① × ② × ③ ◯
[補足]

解答解説