2級FP過去問解説(個人資産)2019年5月【問5】株式指標

【第2問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問4》~《問6》)に答えなさい。


《設 例》
会社員のAさん(39歳)は、預貯金を1,000万円保有しているが、その一部を活用して、X社株式またはY社株式(2社は同業種、東京証券取引所市場第一部上場)のいずれかを購入したいと考えている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
<X社株式およびY社株式の情報>
X社:株価4,000円、発行済株式総数8億株、1株当たり配当金150円(年間)
Y社:株価1,500円、発行済株式総数3億株、1株当たり配当金50円(年間)
※次回の決算期は、X社およびY社ともに、2019年6月30日(日)である。

問5

Mさんは、Aさんに対して、株式の投資指標等について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. 「 一般に、PERが高い銘柄ほど、株価は割安で今後の高い利益成長が期待されていると考えることができます」
  2. 「 一般に、ROEが高い会社ほど、資産の効率的な活用がなされていると考えることができます」
  3. 「一般に、配当性向が高いほど、株主に対する利益還元の度合いが高いと考えることができます。配当性向は、Y社の数値がX社の数値を上回っています」


[正解]
× ② ②×

  1. 「 一般に、PERが高い銘柄ほど、株価は割安で今後の高い利益成長が期待されていると考えることができます」
  2. [解説]
    PERは、株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標で、同業他社と比べPERが低い銘柄は割安と判断する。

  3. 「 一般に、ROEが高い会社ほど、資産の効率的な活用がなされていると考えることができます」
  4. [解説]
    ROEは、自己資本は株主が出資した資金のことで、自己資本でどのぐらい利益を上げたかをみる指標である。ROEが高い会社ほど、資産の効率的な活用がなされていると考えることができる。

  5. 「一般に、配当性向が高いほど、株主に対する利益還元の度合いが高いと考えることができます。配当性向は、Y社の数値がX社の数値を上回っています」
  6. [解説]
    配当性向は、純利益に対する配当金の割合で、企業が純利益からどのくらい配当金を出しているかをみるための指標である。配当性向が高いほど、株主に対する利益還元の度合いが高いと考えることができる。
    また、配当性向は、「配当金総額÷税引後当期純利益×100」で求める。
    ・X社:150÷362.5×100=41.38(%)
     ※EPS=2,900÷8=362.5
    ・Y社 50÷155×100=32.26(%)
     ※EPS=465÷3=155
    よって、配当性向は、Y社の数値がX社の数値を下回っている(X社の数値がY社の数値を上回っている)

[要点のまとめ]

<株式指標>
(1) PER(株価収益率)(倍)
・株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標で、同業他社と比べPERが低い銘柄は割安と判断する。
(算式)株価÷1株あたり純利益(EPS)
(2) PBR(株価純資産倍率)
・株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標で、1倍を下回るか、1倍に近い銘柄ほど割安となる。
(算式)株価÷1株あたり純資産(BPS)
(3) ROE(自己資本利益率)(%)
・自己資本は株主が出資した資金のことで、自己資本でどのぐらい利益を上げたかをみる指標である。
(算式)税引後当期純利益÷自己資本×100
(4) 配当利回り(%)
・株価に対する配当金の割合で、どのくらいの配当金を受け取れるかをみるための指標である。
(算式)1株あたり配当金÷株価×100
(5) 配当性向(%)
・純利益に対する配当金の割合で、企業が純利益からどのくらい配当金を出しているかをみるための指標である。
(算式)配当金総額÷税引後当期純利益×100

2級FP過去問解説(個人資産)2019年5月【問4】株式指標

【第2問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問4》~《問6》)に答えなさい。


《設 例》
会社員のAさん(39歳)は、預貯金を1,000万円保有しているが、その一部を活用して、X社株式またはY社株式(2社は同業種、東京証券取引所市場第一部上場)のいずれかを購入したいと考えている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
<X社株式およびY社株式の情報>
X社:株価4,000円、発行済株式総数8億株、1株当たり配当金150円(年間)
Y社:株価1,500円、発行済株式総数3億株、1株当たり配当金50円(年間)
※次回の決算期は、X社およびY社ともに、2019年6月30日(日)である。

問4

《設例》の<X社株式およびY社株式の情報>および<X社およびY社の財務データ>に基づいて算出される次の①、②を求めなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
① X社およびY社のROE
② X社およびY社のPER



[正解]
① X社12.08(%) Y社9.69(%)
② X社11.03(倍) Y社9.68(倍)

[解説]

① ROE(自己資本利益率)=税引後当期純利益÷自己資本×100
・X社 290,000÷2,400,000×100=12.0833
 よって、12.08(%)
・Y社 46,500÷480,000×100=9.6875(%)
 よって、9.69(%)
② PER(株価収益率)=株価÷1株あたり純利益(EPS)
・X社 4,000÷362.5=11.0344
 よって、11.03(倍)
 ※EPS=2,900÷8=362.5
・Y社 1,500÷155=9.67741
 よって、9.68(倍)
 ※EPS=465÷3=155

[要点のまとめ]

<株式指標>
(1) PER(株価収益率)(倍)
・株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標で、同業他社と比べPERが低い銘柄は割安と判断する。
(算式)株価÷1株あたり純利益(EPS)
(2) PBR(株価純資産倍率)
・株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標で、1倍を下回るか、1倍に近い銘柄ほど割安となる。
(算式)株価÷1株あたり純資産(BPS)
(3) ROE(自己資本利益率)(%)
・自己資本は株主が出資した資金のことで、自己資本でどのぐらい利益を上げたかをみる指標である。
(算式)税引後当期純利益÷自己資本×100
(4) 配当利回り(%)
・株価に対する配当金の割合で、どのくらいの配当金を受け取れるかをみるための指標である。
(算式)1株あたり配当金÷株価×100
(5) 配当性向(%)
・純利益に対する配当金の割合で、企業が純利益からどのくらい配当金を出しているかをみるための指標である。
(算式)配当金総額÷税引後当期純利益×100

2級FP過去問解説(個人資産)2019年5月【問3】各種アドバイス

【第1問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問1》~《問3》)に答えなさい。


《設 例》
X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(45歳)は、高校卒業後、X社に入社し、現在に至るまで同社に勤務している。Aさんは、高校の同級生であった妻Bさん(45歳)と結婚し、現在は妻Bさんと長女Cさん(22歳)との3人暮らしである。
Aさんは、長女Cさんが今年4月に就職したことを機に、老後の生活資金等について、そろそろ準備をしておきたいと考えるようになった。そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
<Aさん夫妻に関する資料>
(1) Aさん(1973年8月12日生まれ・会社員)
・公的年金加入歴: 下図のとおり(60歳定年時までの見込みを含む)
・全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。
・X社が実施している確定給付企業年金の加入者である。

(2) 妻Bさん(1973年6月20日生まれ・専業主婦)
・公的年金加入歴: 18歳からAさんと結婚するまでの3年間(36月)は、厚生年金保険に加入。結婚後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
・全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。
※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※Aさんおよび妻Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問3

最後に、Mさんは、Aさんに対して、各種のアドバイスをした。Mさんがアドバイスした次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  1. 「仮に、Aさんが65歳になるまで厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合、65歳から支給される老齢厚生年金は、65歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に計算されます」
  2. 「妻Bさんは、Aさんと同様、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の支給はなく、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することになります」
  3. 「妻Bさんが確定拠出年金の個人型年金に加入し、Aさんが生計を一にする妻Bさんの掛金を拠出した場合、Aさんはその全額を小規模企業共済等掛金控除の対象とすることができます」


[正解]
 ② ②×

     

  1. 「仮に、Aさんが65歳になるまで厚生年金保険の被保険者としてX社に勤務した場合、65歳から支給される老齢厚生年金は、65歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に計算されます」
  2. [解説]
    厚生年金保険は、被保険者期間に応じて計算されるため、国民年金保険のような年齢要件(20歳から60歳まで)はなく、65歳から支給される老齢厚生年金は、65歳到達時における厚生年金保険の被保険者記録を基に計算される。

     

  3. 「妻Bさんは、Aさんと同様、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の支給はなく、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することになります」
  4. [解説]
    65歳から支給されるのは、男性S36.4.2生まれ以降、女性S41.4.2生まれ以降であるため、妻Bさんも、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給する。

     

  5. 「妻Bさんが確定拠出年金の個人型年金に加入し、Aさんが生計を一にする妻Bさんの掛金を拠出した場合、Aさんはその全額を小規模企業共済等掛金控除の対象とすることができます」
  6. [解説]
    確定拠出年金の掛金は本人の掛金のみ適用されるため、生命保険料のように、扶養家族の分を拠出しても所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象とすることはできない。なお、本人名義の預金口座からしか振替でないため、扶養家族の掛金を拠出できないようになっている金融機関もある。

2級FP過去問解説(個人資産)2019年5月【問2】個人型確定拠出年金

【第1問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問1》~《問3》)に答えなさい。


《設 例》
X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(45歳)は、高校卒業後、X社に入社し、現在に至るまで同社に勤務している。Aさんは、高校の同級生であった妻Bさん(45歳)と結婚し、現在は妻Bさんと長女Cさん(22歳)との3人暮らしである。
Aさんは、長女Cさんが今年4月に就職したことを機に、老後の生活資金等について、そろそろ準備をしておきたいと考えるようになった。そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
<Aさん夫妻に関する資料>
(1) Aさん(1973年8月12日生まれ・会社員)
・公的年金加入歴: 下図のとおり(60歳定年時までの見込みを含む)
・全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。
・X社が実施している確定給付企業年金の加入者である。

(2) 妻Bさん(1973年6月20日生まれ・専業主婦)
・公的年金加入歴: 18歳からAさんと結婚するまでの3年間(36月)は、厚生年金保険に加入。結婚後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
・全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。
※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※Aさんおよび妻Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問2

次に、Mさんは、Aさんに対して、老後の年金収入を増やす方法として確定拠出年金の個人型年金(以下、「個人型年金」という)について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な数値を、下記の〈数値群〉のイ~トのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
Ⅰ 「Aさんのような確定給付企業年金の加入者で60歳未満の厚生年金保険の被保険者や妻Bさんのような国民年金の第3号被保険者は、個人型年金に加入することができます。ただし、拠出することができる掛金の限度額は加入者の区分に応じて異なります。拠出できる掛金の限度額は、Aさんの場合は年額( ① )円、妻Bさんの場合は年額( ② )円です。加入者が拠出する掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となります」
Ⅱ 「 Aさんが60歳到達時に老齢給付金を受給するためには、通算加入者等期間が( ③ )年以上必要となります。なお、個人型年金は、Aさんの指図に基づく運用実績により、将来の年金受取額が増減する点に留意する必要があります」

<数値群>

イ.5 ロ.10 ハ.15 ニ.144,000 ホ.240,000 ヘ.276,000
ト.816,000



[正解]
 ニ ② ヘ ② ロ

[解説]

Ⅰ 「Aさんのような確定給付企業年金の加入者で60歳未満の厚生年金保険の被保険者や妻Bさんのような国民年金の第3号被保険者は、個人型年金に加入することができます。ただし、拠出することができる掛金の限度額は加入者の区分に応じて異なります。拠出できる掛金の限度額は、Aさんの場合は年額( ① 144,000 )円、妻Bさんの場合は年額( ② 276,000 )円です。加入者が拠出する掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象となります」
Ⅱ 「 Aさんが60歳到達時に老齢給付金を受給するためには、通算加入者等期間が( ③ 10 )年以上必要となります。なお、個人型年金は、Aさんの指図に基づく運用実績により、将来の年金受取額が増減する点に留意する必要があります」

確定拠出年金の拠出限度額に関する問題である。
Ⅰ 第1号被保険者の拠出限度額は、国民年金基金との合算で年額81.6万円で、限度額として最も高い。よって、「ト」は除外する。
第3号被保険者は平成29年1月から新しく拠出できるようになったことから覚えておきたいが、年額27.6万円である。企業型確定拠出年金や確定給付型年金がない企業に勤める第2号被保険者も同額である。
同様に、公務員も平成29年1月から追加され、限度額は14.4万円、確定給付型年金がある企業に勤める第2号被保険者も同様である。
最後に残った、確定給付型年金はないが、企業型確定拠出年金がある企業に勤める第2号被保険者の限度額は年額24万円となる。

老齢給付の受給は、原則、60歳以降(通算加入期間10年以上)だが、10年未満の場合は61歳以降となり、遅くとも70歳から受給できる。

[要点のまとめ]

個人型確定拠出年金(iDeCo)
・掛金は全額、小規模企業等共済掛金となる。
・国民年金保険料の免除を受けていると加入することができない。
・転職や退職の際に、年金資金を移管することができる。
・老齢給付の受給は、原則、60歳以降(通算加入期間10年以上)だが、10年未満の場合は61歳以降となり、遅くとも70歳から受給できる。
・運用中の収益は非課税
・平成30年1月1日より、複数月分や1年分などまとめて拠出できるようになった。

2級FP過去問解説(個人資産)2019年5月【問1】老齢給付

【第1問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問1》~《問3》)に答えなさい。


《設 例》
X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(45歳)は、高校卒業後、X社に入社し、現在に至るまで同社に勤務している。Aさんは、高校の同級生であった妻Bさん(45歳)と結婚し、現在は妻Bさんと長女Cさん(22歳)との3人暮らしである。
Aさんは、長女Cさんが今年4月に就職したことを機に、老後の生活資金等について、そろそろ準備をしておきたいと考えるようになった。そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
<Aさん夫妻に関する資料>
(1) Aさん(1973年8月12日生まれ・会社員)
・公的年金加入歴: 下図のとおり(60歳定年時までの見込みを含む)
・全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。
・X社が実施している確定給付企業年金の加入者である。

(2) 妻Bさん(1973年6月20日生まれ・専業主婦)
・公的年金加入歴: 18歳からAさんと結婚するまでの3年間(36月)は、厚生年金保険に加入。結婚後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
・全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。
※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※Aさんおよび妻Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問1

はじめに、Mさんは、Aさんに対して、Aさんが受給することができる公的年金制度からの老齢給付の額について説明した。Aさんが、原則として65歳から受給することができる老齢基礎年金および老齢厚生年金の年金額(2018年度価額)を計算した次の<計算の手順>の空欄①~④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。計算にあたっては、《設例》の<Aさん夫妻に関する資料>および下記の<資料>に基づくこと。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
<計算の手順>
1.老齢基礎年金の年金額(円未満四捨五入)
 ( ① )円
2.老齢厚生年金の年金額
(1)報酬比例部分の額(円未満四捨五入)
 ( ② )円
(2)経過的加算額(円未満四捨五入)
 ( ③ )円
(3)基本年金額(上記「(1)+(2)」の額)
 □□□円
(4)加給年金額(要件を満たしている場合のみ加算すること)
(5)老齢厚生年金の年金額
 ( ④ )円



[正解]
779,300 (円) ②1,061,374(円) ③700(円) ④1,062,074(円)

[解説]

① 老齢基礎年金
Aさんの厚生年金保険の被保険者期間は、132月+364月=496月 となり、480月を超えるため満額受け取ることができる。
よって、老齢基礎年金の受取額は、
779,300(円)となる。
② 老齢厚生年金
(1)報酬比例部分の額
28万円×7.125/1,000×132月=263,340円
40万円×5.481/1,000×364月=798,033.6円
263,340円+798,033.6円=1,061,374円
(2)経過的加算額
1,625円×480月-779,300円×480/480
=780,000円-779,300円=700円
※定額部分である「1,625円×被保険者期間の月数」の月数上限は480月である。
(3)基礎年金額
1,061,374円+700円=1,062,074円
(4)加給年金額
・加給年金は、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、その人に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算される。
 ※配偶者は65歳未満であること、子は18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
・Aさんの厚生年金保険の被保険者期間は20年以上あるが、妻BさんはAさんより早く65歳になる。また子の長女Cさんは22歳なので、要件の「子」に該当しない。なお、妻BさんはAさんと生計維持関係にあるが、長女Cさんはない(記述がない)。
よって、加給年金は支給されない。
(5)老齢厚生年金
1,061,374円+700円=1,062,074円

2級FP過去問解説(学科)2019年5月【問題60】事業承継対策

問題60

相続税の納税資金対策および事業承継対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、相続時精算課税制度の適用を受けることはできない。
  2. オーナー経営者への役員退職金の支給は、自社株式の評価額を引き下げる効果が期待できることに加え、相続時における納税資金の確保にもつながる。
  3. オーナー経営者の死亡により遺族へ支払う死亡退職金は、死亡後3年以内に支給額が確定した場合、相続税において退職手当金等の非課税限度額の適用を受けることができる。
  4. 納付すべき相続税額について、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には物納が認められているが、物納に充てることができる財産の種類には申請順位があり、第1順位には国債、地方債、不動産、上場株式などが挙げられる。

[正解]  (不適切)

  1. 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受ける場合、相続時精算課税制度の適用を受けることはできない。
  2. [解説]
    現経営者が先代経営者から引き継いで企業を営んでいるが、先代経営者が非上場株式を保有している状況が考えられる。経営だけでなく株式も移転するため贈与した場合、贈与税が猶予される制度(贈与税の納税猶予制度)がある。この贈与税の納税猶予制度にあったリスクを軽減するために、相続時精算課税を併用することができるようになった。

  3. オーナー経営者への役員退職金の支給は、自社株式の評価額を引き下げる効果が期待できることに加え、相続時における納税資金の確保にもつながる。
  4. [解説]
    役員退職金を支給すれば、内部留保を減らし、株式評価額を引き下げる効果がある。不相応に高額でない限り損金算入することもできる。

  5. オーナー経営者の死亡により遺族へ支払う死亡退職金は、死亡後3年以内に支給額が確定した場合、相続税において退職手当金等の非課税限度額の適用を受けることができる。
  6. [解説]
    被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(退職手当金等)を受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。この場合、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠を適用できる。

  7. 納付すべき相続税額について、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には物納が認められているが、物納に充てることができる財産の種類には申請順位があり、第1順位には国債、地方債、不動産、上場株式などが挙げられる。
  8. [解説]
    相続税の納付では一定の要件を満たせば物納も認められており、第1順位は価格がつきやすい国債、地方債、不動産、上場株式などとなっている。


2級FP過去問解説(学科)2019年5月【問題59】遺産分割対策

問題59

遺産分割対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 公正証書遺言により遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。
  2. 分割が困難な土地を所有している場合に、相続開始前に相続人間で分割がしやすい資産に入れ替えておくことは、遺産分割対策として効果的である。
  3. 被相続人が生前に推定相続人と話し合い、相続の放棄をする旨を家庭裁判所に申述させることは、遺産分割対策として効果的である。
  4. 代償分割を予定している場合、特定の財産(遺産)を取得する相続人は、他の相続人に対して代償債務を負担しなければならないため、相続開始前に代償債務の履行財源(現金その他の財産)を確保しておくことが望ましい。

[正解]  (不適切)

  1. 公正証書遺言により遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。
  2. [解説]
    公正証書遺言は、自筆証書や秘密証書と比べ、遺言作成時に費用はかかるが、法的要件を満たしていないなどの問題を抱える可能性は少なく、相続のトラブル防止の第一歩として効果的である。

  3. 分割が困難な土地を所有している場合に、相続開始前に相続人間で分割がしやすい資産に入れ替えておくことは、遺産分割対策として効果的である。
  4. [解説]
    分割が困難な土地が資産に含まれている場合、可能であれば現金化するなど分割しやすい資産にしておくことで、財産の相続についてトラブルを防止しやすくなる。

  5. 被相続人が生前に推定相続人と話し合い、相続の放棄をする旨を家庭裁判所に申述させることは、遺産分割対策として効果的である。
  6. [解説]
    遺産分割対策として効果的であるかどうか以前に、相続の放棄を生前に行うことができない。

  7. 代償分割を予定している場合、特定の財産(遺産)を取得する相続人は、他の相続人に対して代償債務を負担しなければならないため、相続開始前に代償債務の履行財源(現金その他の財産)を確保しておくことが望ましい。
  8. [解説]
    他の相続人に代償債務を負担しなければならない相続人は、スムーズな遺産分割のためにも、早めに代償債務の財源を確保しておくとよい。


2級FP過去問解説(学科)2019年5月【問題58】相続対策

問題58

不動産等に係る相続対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 相続人が代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続税の課税対象となる。
  2. 相続により土地を取得し相続税が課された者が、その土地を当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、その者が負担した相続税額のうち、その土地に対応する部分の金額を取得費に加算することができる。
  3. 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用に当たっては、贈与者についての年齢要件はないが、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上でなければならない。
  4. 配偶者から居住用不動産の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、贈与税額の計算上、その取得した居住用不動産の価額から、基礎控除額との合計で最高2,000万円を控除することができる。

[正解]  (不適切)

  1. 相続人が代償分割により他の相続人から交付を受けた代償財産は、相続税の課税対象となる。
  2. [解説]
    代償財産の交付を受けた人の課税価格は、相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額の合計額である。

  3. 相続により土地を取得し相続税が課された者が、その土地を当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、その者が負担した相続税額のうち、その土地に対応する部分の金額を取得費に加算することができる。
  4. [解説]
    「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」である。相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができる。この特例の要件は次のとおりである。
    ・相続や遺贈により財産を取得した者であること。
    ・その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
    ・その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

  5. 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用に当たっては、贈与者についての年齢要件はないが、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上でなければならない。
  6. [解説]
    贈与者は直系尊属であればよく、受贈者は贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上でなければならない。

  7. 配偶者から居住用不動産の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、贈与税額の計算上、その取得した居住用不動産の価額から、基礎控除額との合計で最高2,000万円を控除することができる。
  8. [解説]
    贈与税の配偶者控除は最高2000万円と基礎控除110万円の合計2,110万円を控除することができる。


[要点のまとめ]

<直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税>
『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税』は、平成33年12月31日までに、20歳以上の人が直系尊属から一定の住宅を取得するための資金を贈与されたとき、一定額が非課税となる制度である。年齢は贈与年の1月1日時点で判断する。下記の表中の数値を中心に暗記し、暦年課税と併用できることもおさえておこう。
<直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税>
(平成28年1月~平成32年3月)

適用対象者・贈与者:直系尊属
・受贈者:満20歳以上、贈与を受けた年の合計所得金額2,000万円以下
適用住宅・床面積:50㎡以上240㎡以下
・床面積の2分の1以上が居住用
・耐火建築物は築後25年以内、非耐火建築物は築後20年以内
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住する
非課税限度額・一般:700万円
・省エネ・耐震性:1,200万円


2級FP過去問解説(学科)2019年5月【問題57】不動産評価額

問題57

相続税における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 登記上2筆の土地である宅地の価額は、これを一体として利用している場合であっても、原則として、2画地として別々に評価しなければならない。
  2. 宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式とがあり、いずれの方式を採用するかは、納税者が任意に選択することができる。
  3. 路線価図において、路線に「200D」と記載されている場合、「200」はその路線に面する標準的な宅地1㎡当たりの価額が200千円であることを示し、「D」はその路線に面する宅地の借地権割合が60%であることを示している。
  4. 倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に奥行価格補正率等の補正率を乗じて算出した金額によって、宅地の価額を評価する方式である。

[正解]  (適切)

  1. 登記上2筆の土地である宅地の価額は、これを一体として利用している場合であっても、原則として、2画地として別々に評価しなければならない。
  2. [解説]
    登記上2筆の土地であっても、一体として利用している場合には、原則として、一体として評価しなければならない。

  3. 宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式とがあり、いずれの方式を採用するかは、納税者が任意に選択することができる。
  4. [解説]
    宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式とがあるが、どちらの方式になるかはあらかじめ決められている。

  5. 路線価図において、路線に「200D」と記載されている場合、「200」はその路線に面する標準的な宅地1㎡当たりの価額が200千円であることを示し、「D」はその路線に面する宅地の借地権割合が60%であることを示している。
  6. [解説]
    「200」の単位は千円である。また借地権割合はAの90%が最も高く、10%ずつ減る。B80%、C70%、D60%、E50%、F40%、G30%の7区分ある。

  7. 倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に奥行価格補正率等の補正率を乗じて算出した金額によって、宅地の価額を評価する方式である。
  8. [解説]
    宅地の固定資産税評価額に奥行価格補正率等の補正率を乗じて算出するのは、路線価方式である。倍率方式は、宅地の固定資産税評価額にあらかじめ決められた倍率を乗じて算出する。


2級FP過去問解説(学科)2019年5月【問題56】金融資産の相続税評価

問題56

各種金融資産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 外貨定期預金の価額の円貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。
  2. 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、次式により計算された金額によって評価する。
  3. 相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、課税時期における既払込保険料相当額により評価する。
  4. 金融商品取引所に上場されている不動産投資信託の受益証券の価額は、上場株式に関する評価の定めに準じて評価する。

[正解]  (不適切)

  1. 外貨定期預金の価額の円貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。
  2. [解説]
    相続税や贈与税を計算する場合の外貨は、円貨に換算する必要がある。この場合の円貨への換算は、原則として、取引金融機関が公表する課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)又はこれに準ずる相場により行う。

  3. 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、次式により計算された金額によって評価する。
  4. [解説]
    金融商品取引所に上場されている利付公社債の評価額は、「(課税時期の最終価格+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)×券面額/100円」で求める。

  5. 相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、課税時期における既払込保険料相当額により評価する。
  6. [解説]
    保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、課税時期における解約返戻金相当額により評価する。

  7. 金融商品取引所に上場されている不動産投資信託の受益証券の価額は、上場株式に関する評価の定めに準じて評価する。
  8. [解説]
    証券投資信託の受益証券のうち、金融商品取引所に上場されているものについては、解約請求等を前提とした評価方法は適切ではないことから、上場株式の評価の定めに準じて評価する。