2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題60】贈与税の非課税制度

問題60

贈与税の非課税制度等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」と相続時精算課税制度は、所定の要件を満たせば、併用適用することができる。
  2. 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の対象となる中古の家屋は、その家屋が耐火建築物である場合、取得の日以前25年以内に建築されたものであることとされている。
  3. 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」において、学校等以外に直接支払われる教育資金の適用対象となるものには、学習塾・水泳教室などに支払われる金銭や、通学定期券代なども含まれる。
  4. 「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」では、所定の要件を満たした場合、受贈者1人につき1,500万円までの金額に相当する部分の価額について贈与税が非課税となる。

[正解]  (不適切)

  1. 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」と相続時精算課税制度は、所定の要件を満たせば、併用適用することができる。
  2. [解説]
    住宅資金贈与の非課税と相続時精算課税制度は併用可能である。

  3. 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の対象となる中古の家屋は、その家屋が耐火建築物である場合、取得の日以前25年以内に建築されたものであることとされている。
  4. [解説]
    中古の家屋の場合、次のいずれかの要件を満たす必要がある。
    ・耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
    ・耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
    など。

  5. 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」において、学校等以外に直接支払われる教育資金の適用対象となるものには、学習塾・水泳教室などに支払われる金銭や、通学定期券代なども含まれる。
  6. [解説]
    学習塾・水泳教室などに支払われる金銭や、通学定期券代なども含まれる。

  7. 「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」では、所定の要件を満たした場合、受贈者1人につき1,500万円までの金額に相当する部分の価額について贈与税が非課税となる。
  8. [解説]
    教育資金の一括贈与は1,500万円までだが、結婚・子育て資金の一括贈与は1,000万円(結婚費用300万円)までとなる。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題59】相続税の納付

問題59

相続税の納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 相続税の延納を申請するに当たって、担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産に限られる。
  2. 相続税の納期限までに、または納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由があり、納付すべき相続税額が10万円を超える場合、原則として担保を提供し、所定の手続きにより、相続税の延納を申請することができる。
  3. 相続税を物納する場合における物納財産の収納価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額となる。
  4. 相続により取得した財産のうちに抵当権が設定されている不動産があった場合、その不動産を相続税の物納に充てることはできない。

[正解]  (不適切)

  1. 相続税の延納を申請するに当たって、担保として提供することができる財産は、相続または遺贈により取得した財産に限られる。
  2. [解説]
    共同相続人や第三者の財産でも可能である。

  3. 相続税の納期限までに、または納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由があり、納付すべき相続税額が10万円を超える場合、原則として担保を提供し、所定の手続きにより、相続税の延納を申請することができる。
  4. [解説]
    相続税の延納は、相続税が10万円を超えていること、担保の提供ができることなどの要件がある。

  5. 相続税を物納する場合における物納財産の収納価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額となる。
  6. [解説]
    物納財産の収納価額は、相続税評価額となる。

  7. 相続により取得した財産のうちに抵当権が設定されている不動産があった場合、その不動産を相続税の物納に充てることはできない。
  8. [解説]
    不動産は物納の第一順位に該当するが、抵当権が設定されていると、相続税を回収できない可能性があるため、物納に充てることはえきない。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題58】土地の相続税評価

問題58

財産評価基本通達における宅地および農地の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 宅地の価額は、利用の単位となっている一画地ごとではなく、登記上の一筆ごとの単位で評価する。
  2. 倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとに定めた倍率を乗じて計算した金額によって宅地の価額を評価する方式をいう。
  3. 農地の価額は、農地を純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地に区分して評価する。
  4. 市街地周辺農地の価額は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の100分の80に相当する金額によって評価する。

[正解]  (不適切)

  1. 宅地の価額は、利用の単位となっている一画地ごとではなく、登記上の一筆ごとの単位で評価する。
  2. [解説]
    利用の単位となっている一画地ごとで評価する。

  3. 倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとに定めた倍率を乗じて計算した金額によって宅地の価額を評価する方式をいう。
  4. [解説]
    倍率方式は、決められた倍率を乗じて算出する方式である。

  5. 農地の価額は、農地を純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地に区分して評価する。
  6. [解説]
    農地の価額は、農地を純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地に区分されている。

  7. 市街地周辺農地の価額は、その農地が市街地農地であるとした場合の価額の100分の80に相当する金額によって評価する。
  8. [解説]
    市街地周辺農地は、市街地に隣接する農地であるため宅地の価格に影響を受けやすい。そのため、市街地農地の80%として評価する。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題57】宅地の評価

問題57

下記の宅地における路線価方式による自用地価額として、最も適切なものはどれか。なお、奥行価格補正および側方路線影響加算以外の補正は考慮しないものとする。

WS000320

  1. (200千円×0.99+250千円×1.00×0.02)×400m2=81,200千円
  2. (200千円×0.99+250千円×1.00×0.03)×400m2=82,200千円
  3. (250千円×1.00+200千円×0.99×0.02)×400m2=101,584千円
  4. (250千円×1.00+200千円×0.99×0.03)×400m2=102,376千円

[正解]  (適切)

[解説]

まず、正面道路を決めるが、250千×1.00=250千>200千×0.99 よって、250千の道路が正面道路となる。また、図は準角地ではなく、角地になる。角地はT字型や十字型で、準角地はL字型の道路である。
よって、4が適切。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題56】遺産に係る基礎控除額

問題56

下記<親族関係図>において、平成27年中にAさんに相続が開始した場合の相続税の計算における「遺産に係る基礎控除額」として、最も適切なものはどれか。なお、Dさんは相続の放棄をしている。

WS000002

  1. 70,000千円
  2. 54,000千円
  3. 48,000千円
  4. 42,000千円

[正解]  (適切)

[解説]

基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で、法定相続人の数には放棄した者も含まれる。また、実子がいる場合は、養子は1人まで法定相続人となる。
よって、3,000万円+(600万円×4)=5,400万円


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題55】相続財産

問題55

相続財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 相続または遺贈によって取得した財産のうち、被相続人に帰属する一身専属権は、相続税の課税財産とならない。
  2. 被相続人に対して支給されるべきであった退職金を相続人が受け取った場合、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税財産となる。
  3. 被相続人からの贈与で贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続が開始する前3年以内の贈与であっても相続財産に加算する必要はない。
  4. 相続時精算課税制度の適用を受けて取得した贈与財産は、相続開始時の相続税評価額で相続財産に加算される。

[正解]  (不適切)

  1. 相続または遺贈によって取得した財産のうち、被相続人に帰属する一身専属権は、相続税の課税財産とならない。
  2. [解説]
    一身専属権とは、例えば、FPの資格などである。

  3. 被相続人に対して支給されるべきであった退職金を相続人が受け取った場合、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税財産となる。
  4. [解説]
    被相続人の死亡後3年以内に支給が確定すれば、相続税の課税財産となる。

  5. 被相続人からの贈与で贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続が開始する前3年以内の贈与であっても相続財産に加算する必要はない。
  6. [解説]
    配偶者控除の適用を受けた財産は、控除額範囲内の金額であれば、生前贈与の対象とならず、相続が開始する前3年以内の贈与であっても相続財産に加算する必要はない。

  7. 相続時精算課税制度の適用を受けて取得した贈与財産は、相続開始時の相続税評価額で相続財産に加算される。
  8. [解説]
    相続時精算課税制度の評価時期は、贈与時である。よって、将来価値が上がると見込まれる資産で利用するとメリットが得られる。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題54】遺産分割協議

問題54

遺産分割協議に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 遺産分割協議書は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に作成し、家庭裁判所に提出しなければならない。
  2. 遺産分割協議書は、共同相続人全員の署名、実印による捺印および印鑑証明書の添付がない場合には、原則として無効となる。
  3. 遺産分割協議書は、あらかじめ1人の相続人が遺産分割協議書の草案を用意して、他の共同相続人全員が順次これに署名・捺印する持回り方式により作成することも認められている。
  4. すでに成立している遺産分割協議においては、共同相続人全員の合意があったとしても、当該遺産分割協議の全部または一部を解除することはできない。

[正解]  (適切)

  1. 遺産分割協議書は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に作成し、家庭裁判所に提出しなければならない。
  2. [解説]
    遺産分割協議書の作成期限はない。なお、申告の期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内となるので、できればその時まで作成しておいた方がよい。

  3. 遺産分割協議書は、共同相続人全員の署名、実印による捺印および印鑑証明書の添付がない場合には、原則として無効となる。
  4. [解説]
    相続人全員の署名と実印による捺印(印鑑証明書)は必要だが、不備があると直ちに無効になるわけではない。

  5. 遺産分割協議書は、あらかじめ1人の相続人が遺産分割協議書の草案を用意して、他の共同相続人全員が順次これに署名・捺印する持回り方式により作成することも認められている。
  6. [解説]
    持回り方式での遺産分割協議書の作成も可能である。

  7. すでに成立している遺産分割協議においては、共同相続人全員の合意があったとしても、当該遺産分割協議の全部または一部を解除することはできない。
  8. [解説]
    相続人全員の合意があればやり直しは可能である。なお、税務上、やり直しにより新たな課税関係が生じる可能性がある。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題53】贈与税の申告と納付

問題53

贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 贈与税の申告書の提出先は、贈与者の納税地の所轄税務署長である。
  2. 贈与税の申告書の提出期間は、原則として、贈与を受けた年の翌年の2月16日から3月15日までである。
  3. 贈与税の期限内申告書に係る贈与税の納期限は、その期限内申告書の提出期限と同じである。
  4. 贈与税の納付について認められる延納期間は、最長で10年である。

[正解]  (適切)

  1. 贈与税の申告書の提出先は、贈与者の納税地の所轄税務署長である。
  2. [解説]
    贈与者ではなく、受贈者の住所地の所轄税務署長である。

  3. 贈与税の申告書の提出期間は、原則として、贈与を受けた年の翌年の2月16日から3月15日までである。
  4. [解説]
    翌年の2月1日から3月15日までとなる。

  5. 贈与税の期限内申告書に係る贈与税の納期限は、その期限内申告書の提出期限と同じである。
  6. [解説]
    贈与税の納期限と申告書の提出期限は同じである。贈与を受けた年の翌年の2月16日から3月15日までである。

  7. 贈与税の納付について認められる延納期間は、最長で10年である。
  8. [解説]
    延納期間は5年以内である。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題52】贈与税の課税財産

問題52

贈与税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 契約者(=保険料負担者)が母、被保険者が父、保険金受取人が子である生命保険契約において、父の死亡による死亡保険金を子が受け取った場合には、母から子へ死亡保険金の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
  2. 父の所有する土地を子が無償で借り、その土地の上に建物を建築した場合には、父から子へ借地権の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
  3. 父の名義である土地を対価の授受を行わずに子の名義に変更した場合には、原則として、父から子へ土地の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
  4. 贈与税の課税を免れるために、離婚を手段として財産分与により財産を取得したと認められる場合には、その取得した財産は贈与税の課税対象となる。

[正解]  (不適切)

  1. 契約者(=保険料負担者)が母、被保険者が父、保険金受取人が子である生命保険契約において、父の死亡による死亡保険金を子が受け取った場合には、母から子へ死亡保険金の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
  2. [解説]
    お金が母から子に移ったことになり、母は死亡していないため、贈与税がかかる。

  3. 父の所有する土地を子が無償で借り、その土地の上に建物を建築した場合には、父から子へ借地権の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
  4. [解説]
    贈与税の課税対象ではない無償で借りることを使用貸借といい、権利の価額はゼロとなる。なお、相続時には相続税の課税対象となり、貸宅地ではなく、自用地評価額となる。

  5. 父の名義である土地を対価の授受を行わずに子の名義に変更した場合には、原則として、父から子へ土地の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。
  6. [解説]
    不動産の名義変更は、対価がの授受がなければ贈与税の課税対象となる。

  7. 贈与税の課税を免れるために、離婚を手段として財産分与により財産を取得したと認められる場合には、その取得した財産は贈与税の課税対象となる。
  8. [解説]
    贈与税を逃れるための離婚や不相応に多い財産分与では贈与税の課税対象となる。


2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題51】親族等に係る民法の規定

問題51

親族等に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 親族とは、6親等内の血族、配偶者および4親等内の姻族をいう。
  2. 特別養子縁組が成立した場合、原則として養子と実方の父母との親族関係は終了する。
  3. 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
  4. 未成年者が婚姻をするには、父母の一方が同意しない場合、他の一方の同意だけで足りる。

[正解]  (不適切)

  1. 親族とは、6親等内の血族、配偶者および4親等内の姻族をいう。
  2. [解説]
    親族とは、6親等内の血族、配偶者および「3親等内」の姻族

  3. 特別養子縁組が成立した場合、原則として養子と実方の父母との親族関係は終了する。
  4. [解説]
    特別養子は実方との親族関係は終了する。(普通)養子は終了しない。

  5. 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
  6. [解説]
    相手方に財産分与を請求できる。

  7. 未成年者が婚姻をするには、父母の一方が同意しない場合、他の一方の同意だけで足りる。
  8. [解説]
    未成年者の婚姻では、父母の一方の同意で足りる。