2級FP過去問解説(学科)2016年5月【問題39】消費税

問題39

消費税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢に記載されたもの以外の要件は、すべて満たしているものとする。

  1. 消費税は、納税義務者と税金の負担者が異なる間接税である。
  2. 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している法人であっても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える課税期間については、簡易課税制度の適用を受けることができない。
  3. 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、原則として3年間は簡易課税制度の適用となる。
  4. 個人事業者の消費税の確定申告期限は、課税期間の特例の適用を受けていない場合、原則として、その課税期間の翌年3月31日である。

[正解]  (不適切)

  1. 消費税は、納税義務者と税金の負担者が異なる間接税である。
  2. [解説]
    間接税には、酒税や印紙税、登録免許税などがある。

  3. 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している法人であっても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える課税期間については、簡易課税制度の適用を受けることができない。
  4. [解説]
    簡易課税制度の適用要件は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること、である。

  5. 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、原則として3年間は簡易課税制度の適用となる。
  6. [解説]
    消費税簡易課税制度選択届出書を提出し、簡易課税制度を選択すると、「2年間」は変更することはできない。

  7. 個人事業者の消費税の確定申告期限は、課税期間の特例の適用を受けていない場合、原則として、その課税期間の翌年3月31日である。
  8. [解説]
    個人の消費税の確定申告期限は、その課税期間の翌年3月31日である。


[要点のまとめ]
消費税

    目次

  1. 消費税の基礎知識
  2. 納税義務者
  3. 税額の計算と申告・納付

1 消費税の基礎知識

消費税は、土地の譲渡など非課税とされる取引を除き、原則として、事業者が国内において対価を得て行う商品等の販売やサービスの提供に対して課される。納税義務者と税金の負担者が異なる間接税である。

1. 課税対象と非課税取引
・課税対象
 消費税の課税対象は、国内において、事業者が事業として対価を得て行う、資産の譲渡等及び外国貨物の引取り(輸入取引)である。該当しない取引は不課税取引となる(配当金や保険金など)。
2. 非課税取引
・課税対象のうち、消費税の課税対象として好ましくない取引を非課税取引という。
 土地の譲渡、貸付期間1ヶ月以上の貸付け
 株式等の譲渡
 貸付期間1ヶ月以上の住宅の貸付け など

2 納税義務者

1. 課税期間と基準期間
 基準期間は納税義務者の判定に使用される期間で、個人事業者の場合は、課税期間(当年)の前々年、法人の場合は事業年度の前々事業年度となる。
2. 納税義務の判定
 免税事業者:基準期間の課税売上高が1,000万円以下
 ただし、特定期間の課税売上高1,000万円超かつ給与支払高1,000万円超の場合は免除されない。
3. 新規開業
 新規開業の場合は、基準期間がないため、免除事業者となる。
 ただし、「資本金の額が1,000万円以上の法人」「新規開業の第2事業年度の特定期間の判定で1,000万円を超える事業者」は免除されない。

3 税額の計算と申告・納付

 税額の計算

1. 原則課税
「納付すべき消費税の額 = 課税売り上げに係る消費税額 – 課税仕入れに係る消費税額」
※「課税仕入れに係る消費税額」に含めることができる取引は、課税売上割合が95%以上かつ課税売上高が5億円未満の場合だけ、全額を含めることができる。
※課税売上割合とは、総売上高に対する課税売上高の割合である。つまり消費税課税取引と非課税取引の合計のうち、課税取引が何割あるか、というもの。

2. 簡易課税制度
消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者は、簡易課税制度を選択することができる。また簡易課税制度を選択した事業者は、事業を廃止等した場合を除き、最低2年間は簡易課税制度の適用を継続しなければならない。
「納付税額 = 課税売上に係る消費税額 – 課税仕入れに係る消費税額」
※課税仕入れに係る消費税額 = 課税売上に係る消費税額 × みなし仕入率

・簡易課税制度の適用を初めて受けるためには、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に提出しなければならない。
・簡易課税制度の適用を受けた事業者は、課税売上高に従業員数に応じて定められたみなし仕入率を乗じて仕入に係る消費税額を計算する。
・「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している法人であっても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える課税期間については、簡易課税制度の適用を受けることができない。
・簡易課税制度の選択を取りやめる場合は、原則として、その適用を取りやめようとする課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出しなければならない。

 消費税の申告と納付
・消費税の課税事業者である個人事業者は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月31日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。法人の場合は、事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内である。


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