2級FP過去問解説(学科)2017年1月【問題1】FPと倫理/関連法規

問題1

ファイナンシャル・プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。

  1. 税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、給与所得者である顧客に対し、確定申告をする必要がある場合の要件について一般的な説明を行った。
  2. 社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客から老齢基礎年金の繰上げ請求の相談を受け、有償で老齢基礎年金の繰上げ請求書等を作成し、請求手続きを代行した。
  3. 生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、子どもが生まれたばかりの顧客から相談を受け、生命保険の死亡保障の重要性を説明し、保険募集を行った。
  4. 宅地建物取引業者ではないファイナンシャル・プランナーが、土地の売却を検討している顧客から相談を受け、顧客の代理人となって業として当該土地の売買契約を締結した。

[正解]  (適切)

  1. 税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、給与所得者である顧客に対し、確定申告をする必要がある場合の要件について一般的な説明を行った。
  2. [解説]
    一般的な説明なら可能である。税理士資格がなくても確定申告をしなければならない要件についての一般的な説明は問題ありません。ただ確定申告書の作成を代行したり、具体的に税金を計算したりする行為は税理士法に抵触する可能性があります。ちなみに、「給与所得者である」という所に意味がありそうと感じたかもしれませんが、例として挙げているにすぎませんので、問題の真偽には関係ありません。

  3. 社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客から老齢基礎年金の繰上げ請求の相談を受け、有償で老齢基礎年金の繰上げ請求書等を作成し、請求手続きを代行した。
  4. [解説]
    社会保険労務士資格を有しなければ請求手続きの代行はできない。社会保険労務士の資格がなければ、有償無償に関係なく、請求書等を作成したり、請求手続きを代行したりすることはできません。老齢基礎年金の繰上げについての一般的な説明や、請求書等の作成および手続きを社会保険労務士に依頼することを勧める分には問題ありません。実務的にも出来ることと出来ないことを把握してアドバイスする必要があります。

  5. 生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、子どもが生まれたばかりの顧客から相談を受け、生命保険の死亡保障の重要性を説明し、保険募集を行った。
  6. [解説]
    保険募集は、生命保険募集人の登録を受ける必要がある。生命保険の死亡保障の重要性について説明する分には問題ありません。しかし保険募集を行うには試験を受け、生命保険募集人として登録する必要があります。保険募集を行うには、保険の設計ができるシステムをPCにインストールする必要がありますので、悪意を持って募集しない限り、うっかり募集する可能性は少ないと思いますが、保険の話題は相談でもよく出てきますので注意してください。ちなみに、生命保険募集人の試験問題は2級FPに合格する力がある方にとっては難しくないでしょう。

  7. 宅地建物取引業者ではないファイナンシャル・プランナーが、土地の売却を検討している顧客から相談を受け、顧客の代理人となって業として当該土地の売買契約を締結した。
  8. [解説]
    業として売買契約を締結するには宅地建物取引業者として登録する必要がある。最近は、不動産分野の試験範囲である、宅建免許が必要な取引が出題されるようになっています。宅地建物取引業とは、不特定多数の人に、反復継続して行うことを指しますが、自分の建物を貸主となって他人に貸す場合は宅地建物取引業には該当しません。自分の土地や建物であっても売買を行う場合には宅地建物取引業に該当します。第三者の代理や媒介を行う場合も宅地建物取引業です。これらは不動産の取引を「業」として取り扱うことになり、宅地建物取引士としての免許が必要です(従業員5人につき1人の宅建士が必要)。

[要点のまとめ]
FPと倫理/関連法規

    目次

  1. FPと倫理
  2. FPの関連法規

1 FPと倫理

 顧客利益の優先
FPは顧客の立場に立ち、顧客利益を優先するプランニングやアドバイスを実施しなければならない。

 守秘義務の遵守
FPは顧客から入手した個人情報を、原則、顧客の承諾なく第三者に漏らしてはならない。
税理士や弁護士などほかの専門家の協力が必要な場合などでは、顧客の承諾を得た上で第三者に伝えることはできる。

2 FPの関連法規

 税理士法との兼ね合い
税理士資格を有していないFPは、有償無償を問わず、個別具体的な税務相談や確定申告書など税務書類の作成を行ってはならない。

 社会保険労務士法との兼ね合い
社労士資格を有していないFPは、有償無償を問わず、年金裁定請求書などの申請書作成代行を行うことはできない。ねんきん定期便などを利用して年金額の見込み額を試算することは社労士の資格がなくても可能である。

 弁護士法との兼ね合い
弁護士資格を有しないFPは、有償無償を問わず、個別具体的な法律判断や法律事務を行ってはならない。公正証書遺言の証人、遺言執行者、任意後見人については、弁護士資格がなくても可能である。

 宅建業法との兼ね合い
自らの不動産を貸す場合は宅建業者として登録は不要だが、これ以外は必要となる。

※宅建免許が必要な場合
免許が必要な宅建取引業とは、不特定多数の人を相手に、反復または継続して行うことを指し、取引内容は以下の場合に該当する。

自己物件他人物件
代理
他人物件
媒介
売買
交換
賃貸×

 保険業法との兼ね合い
 保険募集人登録をしていないFPは、保険の募集および契約をすることはできない。保険商品の一般的な解説は可能である。

 金融商品取引法との兼ね合い
 金融商品取引業者の登録をしていないFPは、個別具体的な投資判断やアドバイスをすることはできない。一般的な情報を伝えることは可能である。

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