2級FP過去問解説(学科)2017年1月【問題4】労災保険

問題4

労働者災害補償保険の給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 業務上の疾病の療養により労働することができないために賃金を受けられない場合、賃金を受けない日の第1日目から休業補償給付が支給される。
  2. 労災指定病院で療養補償給付として受ける療養の給付については、労働者の一部負担金はない。
  3. 業務上の傷病が治癒し、身体に一定の障害が残った場合、その障害の程度が労働者災害補償保険法に規定する障害等級に該当するときは、障害補償給付が支給される。
  4. 業務上の傷病により死亡した場合は、葬祭を行う者に葬祭料が支給される。

[正解]  (不適切)

[解説]

労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。
労災保険は、原則として一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用されます。なお、労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。
労災保険給付の算定の基礎となる給付基礎日額については、労災保険法第8条の3等の規定に基づき、毎月勤労統計の平均給与額の変動等に応じて、毎年自動的に変更されております。
(出典:厚生労働省HP)

  1. 業務上の疾病の療養により労働することができないために賃金を受けられない場合、賃金を受けない日の第1日目から休業補償給付が支給される。
  2. [解説]
    労災の休業補償給付は賃金を受けない日の4日目から支給される。労働者が、業務または通勤が原因となった負傷や疾病による療養のため労働することができず、賃金を受けていないとき、その第4日目から業務災害なら休業補償給付が、通勤災害なら休業給付が支給されます。
    支給額は、休業補償給付(給付基礎日額の60%)と休業特別支給金(給付基礎日額の20%)です。
    なお、休業の初日から第3日目までを待期期間といい、この間は業務災害の場合、事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償(1日につき平均賃金の60%)を行います。
    また、例えば通院のため、労働者が所定労働時間のうち一部を休業した場合は、給付基礎日額から実際に労働した部分に対して支払われる賃金額を控除した額の60%にあたる額が支給されます。

  3. 労災指定病院で療養補償給付として受ける療養の給付については、労働者の一部負担金はない。
  4. [解説]
    業務上の病気やケガの場合、労災指定病院を利用すれば一部負担金はない(健康保険を利用すると3割負担等である)。労働者が業務または通勤が原因で扶養したり、病気にかかって療養を必要とするとき、業務災害なら療養補償給付が、通勤災害なら療養給付が支給されます。
    療養の給付は、労災病院や指定医療機関・薬局等(指定医療機関等)で、無料で治療や薬剤の支給等を受けることができます(現物給付)。
    療養の費用の支給は、近くに指定医療機関等がないなどの理由で、指定医療機関等以外の医療機関や薬局等で治療を受けた場合に、その療養にかかった費用を支給する現金給付です。
    給付の対象となる療養の範囲や期間は現物給付も現金給付も同じです。療養(補償)給付は、治療費、入院料、移送費など通常療養のために必要なものが含まれ、傷病が治癒(症状固定)するまで行われます。

  5. 業務上の傷病が治癒し、身体に一定の障害が残った場合、その障害の程度が労働者災害補償保険法に規定する障害等級に該当するときは、障害補償給付が支給される。
  6. [解説]
    業務上の病気やケガの場合、労災指定病院を利用すれば一部負担金はない(健康保険を利用すると3割負担等である)。
    労働者が業務または通勤が原因で扶養したり、病気にかかって療養を必要とするとき、業務災害なら療養補償給付が、通勤災害なら療養給付が支給されます。
    療養の給付は、労災病院や指定医療機関・薬局等(指定医療機関等)で、無料で治療や薬剤の支給等を受けることができます(現物給付)。
    療養の費用の支給は、近くに指定医療機関等がないなどの理由で、指定医療機関等以外の医療機関や薬局等で治療を受けた場合に、その療養にかかった費用を支給する現金給付です。
    給付の対象となる療養の範囲や期間は現物給付も現金給付も同じです。療養(補償)給付は、治療費、入院料、移送費など通常療養のために必要なものが含まれ、傷病が治癒(症状固定)するまで行われます。

  7. 業務上の傷病により死亡した場合は、葬祭を行う者に葬祭料が支給される。
  8. [解説]
    障害補償給付は、業務上の傷病で障害等級等に該当する障害が残った場合に支給される。業務または通勤が原因となった負傷や疾病が治ったとき、身体に一定の障害が残った場合には、業務災害なら障害補償給付が,通勤災害なら障害給付が支給されます。
    障害等級第1級から第7級に該当すると、障害(補償)年金、障害特別支給金、障害特別年金が、障害等級第8級から第14級に該当すると、障害(補償)一時金、障害特別支給金、障害特別一時金が支給されます。
    また、労災保険の傷病が「治ったとき」とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうのではなく、傷病の状態が安定し、医学上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいい、この状態を労災保険では「治癒」(症状固定)といいます。したがって、「傷病の症状が、投薬・理学療法等の治療により一時的な回復がみられるにすぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断される場合には、労災保険では「治癒」(症状固定)として、療養(補償)給付を支給しないことになっています。

[要点のまとめ]
雇用保険・労災保険

    目次

  1. 雇用保険
  2. 労災保険

1 雇用保険

雇用される労働者は、常用・パート・アルバイト・派遣等、名称や雇用形態にかかわらず、
① 1 週間の所定労働時間が 20 時間以上であり、② 31 日以上の雇用見込みがある
場合には、原則として被保険者となる。なお在日外国人も原則として被保険者となる。

基本手当(求職者手当)

(1) 受給要件:離職前2年間で、被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
(2) 待期期間:7日間、自己都合退職はさらに3ヶ月支給されない。
(3) 受給期間:離職日の翌日から1年間(例外:330日は1年と30日、360日は1年と60日)
※病気や妊娠など一定の理由で、30日以上働けなくなった場合は最長3年間まで延長できる。たとえば病気や妊娠で退職し、ハローワークに行けないことがある。基本手当は、働く意思がある人が対象なので、ハローワークへ行き、4週間に1回の面談をしなければ給付要件を満たさなくなる。そこで、病気や妊娠などやむを得ない理由で就職活動ができない場合、受給期間を延長することができる。ただ給付日数が伸びるわけではない。自己都合退職で被保険者期間が1年以上10年未満の場合、給付日数は90日だが、この90日が伸びるわけではない。

雇用継続給付

1. 高年齢雇用継続基本給付金
・基本手当を受給せず雇用を継続した人向け
・支給対象期間:60歳到達月から65歳到達月まで
・支給額:60歳以後の賃金 × 最高15%
・受給要件:雇用保険の被保険者期間5年以上、60歳以上65歳未満の被保険者であること、60歳以後の賃金が60歳到達時点の賃金の75%未満であること

2. 高年齢再就職給付金
・基本手当を受給後に再就職した人向け
・支給対象期間:支給の残り日数が100日以上ある場合に最大2年間支給される。
・支給額:60歳以後の賃金 × 最高15%
・受給要件:雇用保険の被保険者期間5年以上、60歳以上65歳未満の被保険者であること、60歳以後の賃金が60歳到達時点の賃金の75%未満であること

3. 育児休業給付金
・受給要件:原則、満1歳未満の子どもを養育するために育児休暇をとること
 ※パパママ育休プラス利用で1歳2ヶ月、保育所等が見つからないと最大2歳
 育児休暇前2年間に賃金支払いの基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること
・支給額:休業前の賃金の50%
 当初180日(6ヶ月)に限り、休業前の賃金の67%相当額
※休業期間中に休業前の賃金の80%以上が支払われていない場合は対象外

4. 介護休業給付金
・受給要件:配偶者、父母(配偶者の父母を含む)、子などを介護するための休業
・支給額:休業前の賃金の67%相当額で3回に分けて取得でき、通算最高93日支給される。
※休業期間中に休業前の賃金の80%以上が支払われていない場合は対象外

教育訓練給付

教育訓練給付は、対象の訓練にかかった費用の一部が給付される制度である。

1. 一般教育訓練給付
 (1) 給付額:受講料等の20%相当額(上限10万円)
 (2) 対象者:被保険者期間3年以上(初めてなら1年以上)の被保険者
2. 専門実践教育訓練給付
 (1) 給付額:受講料等の50%相当額(上限年間40万円 × 3年)
   ※資格を取得し就職すれば20%加算
 (2) 対象者:被保険者期間3年以上(初めてなら2年以上)の被保険者
3. 教育訓練支援給付
 (1) 給付額:受講期間中、基本手当相当額の80%
 (2) 対象者:専門実践教育訓練給付を受給できる45歳未満の離職者など

2 労災保険

・労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度である。その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれている(事業主全額負担)。
・労災保険は、原則として 一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用される。なお、労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、 労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ない。
・保険料は、「全従業員の年間賃金総額」×「労災保険料」で求め、保険料率は業種によって異なる。

特別加入制度

労災保険の特別加入制度とは、労働者以外で、業務の実態や災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度である。特別加入できる方の範囲は、中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・海外派遣者の4種に分けられる。中小事業主等や海外派遣者の要件では、企業規模の要件として労働者数が一定以下であることが求められている。

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