2級FP過去問解説(学科)2017年1月【問題21】経済と金融市場

問題21

経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定する統計で、総務省が作成・公表している。
  2. マネーストック統計は、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの統計として、日本銀行が作成・公表している。
  3. 国際収支統計は、一定の期間における居住者と非居住者の間で行われた対外経済取引を体系的に記録した統計で、財務省と日本銀行が共同で公表している。
  4. 有効求人倍率は、前月から繰り越された有効求職者数と当月の新規求職申込件数の合計数である「月間有効求職者数」を前月から繰り越された有効求人数と当月の新規求人数の合計数である「月間有効求人数」で除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表している。

[正解]  (不適切)

  1. 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定する統計で、総務省が作成・公表している。
  2. [解説]
    消費者物価指数は、家計に係る財やサービスの価格の変動を調査した指標である。

  3. マネーストック統計は、景気、物価の動向やその先行きを判断するための一つの統計として、日本銀行が作成・公表している。
  4. [解説]
    マネーストック統計は、「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」を示す統計である。通貨総量が増加すれば通貨の価値が下がり、相対的に物価が上昇する。金利を上昇させたい場合には通貨総量を増やす。逆に通貨総量が減少すれば通貨の価値が上がり、相対的に物価が下落する。金利を下げたい場合には通貨総量を減らす。マネーストックを見ることで、景気の先行きを判断し、通貨総量を調整する。

  5. 国際収支統計は、一定の期間における居住者と非居住者の間で行われた対外経済取引を体系的に記録した統計で、財務省と日本銀行が共同で公表している。
  6. [解説]
    国際収支統計を見ると、貿易・サービスの収支や金融収支の推移を調べることができる。

  7. 有効求人倍率は、前月から繰り越された有効求職者数と当月の新規求職申込件数の合計数である「月間有効求職者数」を前月から繰り越された有効求人数と当月の新規求人数の合計数である「月間有効求人数」で除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表している。
  8. [解説]
    有効求人倍率は、「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で除して求める(問題文とは逆)。
    なお、
    「月間有効求職者数」は、前月から繰越された有効求職者数(前月末日現在において、求職票の有効期限が翌月以降にまたがっている就職未決定の求職者をいう。)と当月の新規求職申込件数の合計数である。
    また、「月間有効求人数」は、前月から繰越された有効求人数(前月末日現在において、求人票の有効期限が翌月以降にまたがっている未充足の求人数をいう。)と当月の新規求人数の合計数である。
    という定義は正しい。この定義が論点になる可能性は少ないため、削除して、「有効求人倍率は、「月間有効求職者数」を「月間有効求人数」で除して求められる統計で、厚生労働省が作成・公表している。」だけで検討すればわかりやすい。

[要点のまとめ]
経済と金融市場

    目次

  1. 経済指標
  2. 金融市場
  3. 金利の変動要因
  4. 金融政策と財政政策

1 経済指標

1. 経済指標一覧

GDP国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額(海外で生産したモノやサービスの付加価値は含まない)で、内閣府が年4回発表している指標である。
景気動向指数生産、雇用などの経済活動状況を表すさまざまな指標の動きを統合して、景気の現状把握や将来の動向を予測するために内閣府が発表している指標である。
日銀短観日本銀行が景気の現状や先行きの見通しについて企業に直接行うアンケート調査で、全国企業短期経済観測調査の略称であり、年4回、調査・公表される。
企業物価指数企業間で取引される商品の価格変動に焦点を当てた指標であり、日本銀行が公表している。国際商品市況や外国為替相場の影響を受けやすい傾向がある。
消費者物価指数消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標で、総務省から毎月発表されている。
マネーストック統計中央政府や金融機関を除く経済主体が保有する通貨量の残高を集計したもので、日本銀行が毎月公表している。

2. GDP

GDP(Gross Domestic Product)は国内総生産といい、一定期間内に国内で生産された財・サービスの付加価値の合計額である。一国の経済活動を包括的に示す指標・景気を測る指標として重要なもので、内閣府が作成・公表している。またGDPには名目値と実質値がある。名目GDPは、実際に取引されている価格に基づいて推計されるため、物価変動の影響を受ける。一方、実質GDPは、ある年(基準年)の価格水準を基準として、物価変動要因が取り除かれている。このため、景気判断や経済成長率をみる場合には、名目GDPだけでなく実質GDPも重視される。名目GDPと実質GDPの関係は次の式で表される。
 名目GDP = 実質GDP + 物価変動率

またGDPデフレーターは名目GDPの物価水準の変化分を調整するときに使われ、次の式で表される。
 実質GDP = 名目GDP / GDPデフレーター

3. 景気動向指数
景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)の2種類あるが、コンポジット・インデックス(CI)が指標の中心となる。コンポジット・インデックス(CI)は、景気変動のテンポや大きさを把握するための指標である。一致指数が上昇しているときは、景気の拡張局面といえる。

2 金融市場

1. 金融市場
インターバンク市場:金融機関だけが参加できる市場
オープン市場:一般企業も参加できる市場

3 金利の変動要因

1. 為替相場
海外金利の上昇 ⇒ 円から外貨へ ⇒ 円安 ⇒ 国内金利の上昇
海外金利の下落 ⇒ 外貨から円へ ⇒ 円高 ⇒ 国内金利の下落

4 金融政策と財政政策

1. 金融政策
(1) 公開市場操作
・売りオペ:市場の資金量が減少し、金利が上昇する。
・買いオペ:市場の資金量が増加し、金利が下落する。
(2) 預金準備率操作
・引き上げ:市場の資金量が減少し、金利が上昇する。
・引き下げ:市場の資金量が増加し、金利が下落する。

2. 財政政策
国や地方公共団体が行う政策

error:Content is protected !!