2級FP過去問解説(学科)2017年1月【問題31】税制・所得税の基礎知識

問題31

所得税の原則的な取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 個人事業主の所得税の計算期間については、納税地の所轄税務署長への届出により、任意に定めることができる。
  2. 課税総所得金額に対する所得税額は、所得金額の多寡にかかわらず、一律の税率を乗じることにより計算する。
  3. 所得税は、納税者の申告に基づき、課税庁が所得や納付すべき税額を決定する賦課課税方式を採用している。
  4. 所得税は、総合課税、源泉分離課税または申告分離課税のいずれかの課税方法により課される。

[正解]  (適切)

  1. 個人事業主の所得税の計算期間については、納税地の所轄税務署長への届出により、任意に定めることができる。
  2. [解説]
    法人は会計期間を任意に定めることができるが、個人事業主は1月1日~12月31日と決められている。

  3. 課税総所得金額に対する所得税額は、所得金額の多寡にかかわらず、一律の税率を乗じることにより計算する。
  4. [解説]
    所得税額は所得が多くなるにつれ税率が増える、累進課税方式を採用している。

  5. 所得税は、納税者の申告に基づき、課税庁が所得や納付すべき税額を決定する賦課課税方式を採用している。
  6. [解説]
    所得税は、確定申告により所得や税額が決まる申告納税方式を採用している。賦課課税方式は、国や自治体が納付すべき税額を計算し、納付者に通知する方式で、固定資産税や自動車税などに採用されている。

  7. 所得税は、総合課税、源泉分離課税または申告分離課税のいずれかの課税方法により課される。
  8. [解説]
    雑所得や給与所得は総合課税、利子所得などが源泉分離課税、不動産や株式の譲渡所得などが申告分離課税を採用している(特例による例外あり)。


[要点のまとめ]
税制・所得税の基礎知識

    目次

  1. 税金の分類
  2. 所得税の基礎知識
  3. 所得税額の計算手順

1 税金の分類

直接税と間接税
税金は、税金を負担する人と納める人が同じである直接税と負担する人と納める人が異なる間接税に分けることができる。

国税と地方税
税金は、国が課税する国税と地方公共団体が課税する地方税に分けることができる。また地方税には道府県税と市町村税がある。

直接税間接税
国税所得税、法人税、相続税、贈与税消費税、印紙税、登録免許税
地方税道府県税道府県民税、不動産取得税、事業税地方消費税
市町村税市町村民税、固定資産税市町村たばこ税

課税方式
・申告納税方式:納税者が税額を計算して申告・納税する。
・賦課課税方式:国や地方公共団体が税額を計算して、納税者に通知する。

2 所得税の基礎知識

・居住者:「国内に住所がある」か「国内に現在まで1年以上住んでいる」個人
・非永住者:「居住者」で、「日本国籍がなく」かつ「過去10年間で国内に住所を有する(または住んでいる)期間が5年以下」の個人
(例)
・日本に住む日本人は、「居住者(非永住者以外)」
・日本に住所がなく、住んでもいない日本人は、「非居住者」
・外国人でも過去10年間で住所か居所を有する期間が5年超なら、超えた日から「居住者(非永住者以外)」
 5年以下なら「居住者(非永住者)」

納税義務者課税対象範囲
居住者非永住者以外国内外すべての所得
非永住者国内源泉所得と国外源泉所得の一部(国内で支払われたものや海外から送金されたもの)
非居住者国内源泉所得のみ

3 所得税額の計算手順

1 各所得を計算する
 給与所得や事業所得など各所得の算出式に従って、各「所得金額」を計算する。
2 損益通算する
 損益通算できる所得の赤字とほかの所得とを合計する。
3 総合課税に該当する所得を合計し、「総所得金額」を計算する
 損益通算したあと、一時所得(や長期譲渡所得)は2分の1し、総所得金額を計算する。
 ※損失(純損失・雑損失)の繰越控除がある場合もここで控除して、総所得金額を求める。
4 所得控除額を引き、「課税所得金額」を計算する
 ※総所得金額から所得控除額を引ききれなかった場合は、分離課税からも引くことができる。
5 課税所得金額に税率をかけて、所得税額を算出する


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