改正対応|確認済み(2019.5)|※解説は教材等に使用されるものですので、無断利用はご遠慮ください。
問題 6
老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 特別支給の老齢厚生年金は、受給権者の性別および生年月日により定額部分が支給されない場合があるが、報酬比例部分はすべての受給権者について60歳から支給される。
[解答解説] ×
不適切である。
老齢厚生年金と老齢基礎年金は、原則65歳からの支給である。男性は昭和36年4月1日生まれまで、女性は昭和41年4月1日生まれまでは「特別」に65歳未満で受給できるので、特別支給の老齢厚生年金と呼ぶ。特別支給の老齢厚生年金は生年月日に応じて段階的に年齢が繰り下げられ、最初は定額部分が次いで報酬比例部分の支給開始年齢が繰り下げられる。この設問に限れば、すべての受給権者が60歳から支給されることはないことだけ分かっていれば解ける。 - 65歳以降の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることのほか、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有することが必要である。
[解答解説] ×
不適切である。
65歳からの老齢厚生年金の受給要件は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること、厚生年金の被保険者期間が1ヵ月以上あることである。厚生年金の加入期間が1年以上必要なのは、60歳から65歳に達するまでに支給される特別支給の老齢厚生年金である。 - 老齢厚生年金の額に加給年金額が加算されるためには、原則として、受給権者が65歳到達時点において、厚生年金保険の被保険者期間が25年以上であり、かつ、受給権者によって生計を維持している一定の要件を満たす配偶者または子がいることが必要である。
[解答解説] ×
不適切である。
老齢厚生年金の加給年金は、一種の扶養手当である。厚生年金の被保険者期間が20年以上ある者に扶養している65歳未満の配偶者や子がいることが要件である。またその配偶者や子の年収が一定(850万円)以下であること。厚生年金保険の被保険者期間25年以上が誤り。なお、加給年金額は次の通り。
配偶者 224,300円
1人目・2人目の子 各224,300円
3人目以降の子 各 74,800円
(平成30年度) - 厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、当該受給権者の総報酬月額相当額に応じて調整され、年金額の一部または全部が支給停止となる場合があるが、老齢厚生年金の支給停止基準額の計算方法は、受給権者が65歳未満の者と65歳以上の者では異なる。
[解答解説] 〇
適切である。
在職老齢年金の支給停止調整変更額などが平成27年4月1日より変更になったため、しばらく出題される可能性がある。
・60歳から64歳までの方の支給停止調整変更額
46万円⇒47万円へ変更(28万円の支給停止調整開始額については変更なし)
・65歳以上の方の支給停止調整額
46万円⇒47万円へ変更
65歳未満の場合、総報酬月額相当額の基準額47万円、基本月額の基準額が28万円であり、合計額だけでなく、それぞれ超えているかどうかで支給される金額が異なる。65歳以上は基本月額と総報酬月額相当額の合計で判断する。
ちなみに、基本月額は、加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生年金の月額(又は加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額)、総報酬月額相当額は、「(その月の標準報酬月額)+(直近1年間の標準賞与額の合計)÷12」のことである。試験対策上は、基本月額は年金のこと、総報酬月額相当額は給与のこととおさえておけばよい。
[解答] 4
[補足]
解答解説