2級FP過去問解説(学科)2018年1月【問題38】消費税

問題38

消費税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 設立1期目で事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上である新設法人は、その事業年度は消費税の課税事業者となる。
  2. 簡易課税制度の適用を受けた事業者は、課税売上高に従業員数に応じて定められたみなし仕入率を乗じて仕入に係る消費税額を計算する。
  3. その課税期間に係る課税売上高が5億円以下の事業者で、課税売上割合が85%以上の場合の消費税の納付税額は、原則として、課税売上に係る消費税額から課税仕入に係る消費税額を控除した残額である。
  4. 消費税の課税事業者である個人事業者は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

[正解]  (適切)

[解説]

  1. 設立1期目で事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上である新設法人は、その事業年度は消費税の課税事業者となる。
  2. [解説]
    適切である。新規開業した企業には基準期間がないため免除事業者となるが、資本金1,000万円以上の法人は課税事業者となる。

  3. 簡易課税制度の適用を受けた事業者は、課税売上高に従業員数に応じて定められたみなし仕入率を乗じて仕入に係る消費税額を計算する。
  4. [解説]
    不適切である。消費税の計算は、「課税売り上げに係る消費税額(受け取った消費税)-課税仕入れに係る消費税額(支払った消費税)」で求めるのが原則であるが、売上と仕入れそれぞれ消費税額を計算しなければならない。簡易課税制度では、「課税仕入れに係る消費税額」を「課税売り上げに係る消費税額×みなし仕入率」で計算することができるため、売上に係る消費税額のみ計算すればよい。

  5. その課税期間に係る課税売上高が5億円以下の事業者で、課税売上割合が85%以上の場合の消費税の納付税額は、原則として、課税売上に係る消費税額から課税仕入に係る消費税額を控除した残額である。
  6. [解説]
    不適切である。課税売上割合が85%以上の場合ではなく、課税売上割合が95%以上の場合である。課税売上割合とは、総売上高に対する課税売上高の割合である。つまり消費税課税取引と非課税取引の合計のうち、課税取引が何割あるか、というもの。納付すべき消費税の額は「課税売り上げに係る消費税額ー課税仕入れに係る消費税額」で求めるが、「課税仕入れに係る消費税額」に含めることができる取引は、課税売上割合が95%以上かつ課税売上高が5億円未満の場合だけ、全額を含めることができる。

  7. 消費税の課税事業者である個人事業者は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  8. [解説]
    不適切である。個人の消費税の確定申告は翌年3月31日までである。なお、法人の場合は課税期間終了の日の翌日から2ヶ月以内となっている。


[要点のまとめ]
消費税

    目次

  1. 消費税の基礎知識
  2. 納税義務者
  3. 税額の計算と申告・納付

1 消費税の基礎知識

消費税は、土地の譲渡など非課税とされる取引を除き、原則として、事業者が国内において対価を得て行う商品等の販売やサービスの提供に対して課される。納税義務者と税金の負担者が異なる間接税である。

1. 課税対象と非課税取引
・課税対象
 消費税の課税対象は、国内において、事業者が事業として対価を得て行う、資産の譲渡等及び外国貨物の引取り(輸入取引)である。該当しない取引は不課税取引となる(配当金や保険金など)。
2. 非課税取引
・課税対象のうち、消費税の課税対象として好ましくない取引を非課税取引という。
 土地の譲渡、貸付期間1ヶ月以上の貸付け
 株式等の譲渡
 貸付期間1ヶ月以上の住宅の貸付け など

2 納税義務者

1. 課税期間と基準期間
 基準期間は納税義務者の判定に使用される期間で、個人事業者の場合は、課税期間(当年)の前々年、法人の場合は事業年度の前々事業年度となる。
2. 納税義務の判定
 免税事業者:基準期間の課税売上高が1,000万円以下
 ただし、特定期間の課税売上高1,000万円超かつ給与支払高1,000万円超の場合は免除されない。
3. 新規開業
 新規開業の場合は、基準期間がないため、免除事業者となる。
 ただし、「資本金の額が1,000万円以上の法人」「新規開業の第2事業年度の特定期間の判定で1,000万円を超える事業者」は免除されない。

3 税額の計算と申告・納付

 税額の計算

1. 原則課税
「納付すべき消費税の額 = 課税売り上げに係る消費税額 – 課税仕入れに係る消費税額」
※「課税仕入れに係る消費税額」に含めることができる取引は、課税売上割合が95%以上かつ課税売上高が5億円未満の場合だけ、全額を含めることができる。
※課税売上割合とは、総売上高に対する課税売上高の割合である。つまり消費税課税取引と非課税取引の合計のうち、課税取引が何割あるか、というもの。

2. 簡易課税制度
消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者は、簡易課税制度を選択することができる。また簡易課税制度を選択した事業者は、事業を廃止等した場合を除き、最低2年間は簡易課税制度の適用を継続しなければならない。
「納付税額 = 課税売上に係る消費税額 – 課税仕入れに係る消費税額」
※課税仕入れに係る消費税額 = 課税売上に係る消費税額 × みなし仕入率

・簡易課税制度の適用を初めて受けるためには、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に提出しなければならない。
・簡易課税制度の適用を受けた事業者は、課税売上高に従業員数に応じて定められたみなし仕入率を乗じて仕入に係る消費税額を計算する。
・「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している法人であっても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える課税期間については、簡易課税制度の適用を受けることができない。
・簡易課税制度の選択を取りやめる場合は、原則として、その適用を取りやめようとする課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出しなければならない。

 消費税の申告と納付
・消費税の課税事業者である個人事業者は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月31日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。法人の場合は、事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内である。


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