2級FP過去問解説(学科)2018年5月【問題7】企業年金等

問題7

確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 企業の従業員である個人型年金加入者(第2号加入者)は、原則として、その者に支払われる給与からの天引きにより事業主経由で掛金を納付することができる。
  2. 個人型年金の加入者が、国民年金の第3号被保険者である場合、掛金の拠出限度額は年額816,000円である。
  3. 一時金で受け取る老齢給付金は、退職所得として所得税の課税対象となる。
  4. 確定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上である場合、老齢給付金は原則として60歳から受給することができる。

[正解]  (不適切)

[解説]

  1. 企業の従業員である個人型年金加入者(第2号加入者)は、原則として、その者に支払われる給与からの天引きにより事業主経由で掛金を納付することができる。
  2. [解説]
    適切である。第2号被保険者でも個人型確定年金に加入できるが、掛金は給与からの天引きで納付するのが原則である。

  3. 個人型年金の加入者が、国民年金の第3号被保険者である場合、掛金の拠出限度額は年額816,000円である。
  4. [解説]
    不適切である。第3号被保険者の拠出限度額は年額27.6万円である。なお、拠出限度額をすべて暗記する余裕がない場合は、第1号被保険者の拠出限度額が年額81.6万円であることだけでも覚えておこう。

  5. 一時金で受け取る老齢給付金は、退職所得として所得税の課税対象となる。
  6. [解説]
    適切である。確定拠出年金を老齢給付金として一時金を受け取った場合は、退職所得に該当する。確定拠出年金の給付金は大きく分けて、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金があり、老齢給付金の受け取り方法は、年金、一時金、年金+一時金がある。

  7. 確定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上である場合、老齢給付金は原則として60歳から受給することができる。
  8. [解説]
    適切である。定拠出年金の通算加入者等期間が10年以上あれば60歳から受給できる。10年未満の場合は、通算加入者等期間に応じて受け取り開始年齢が決められており、遅くとも70歳から受給できる。


[要点のまとめ]
企業年金等

1 個人型確定拠出年金(iDeCo)

■確定拠出年金の制度概要
確定拠出年金は、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度です。
・掛金を企業が拠出する企業型年金と加入者自身が拠出する個人型年金(iDeCo)があります。
・厚生年金基金や確定給付企業年金等の企業年金制度等は、給付額が約束されるという特徴がありますが、従来、以下のような問題点が指摘されていたことから、平成13年10月に公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として確定拠出年金が導入されました。
(1)現行の企業年金制度は中小零細企業や自営業者に十分普及していない。
(2)離転職時の年金資産の持ち運びが十分確保されておらず、労働移動への対応が困難である。
■確定拠出年金のメリットとデメリット
◯メリット
・加入者個人が運用の方法を決めることができる。
・社員の自立意識が高まる。
・経済・投資等への関心が高まる。
・運用が好調であれば年金額が増える。
・年金資産が加入者ごとに管理されるので、各加入者が常に残高を把握できる。
・一定の要件を満たせば、離転職に際して年金資産の持ち運びが可能。
・企業にとっては、掛金の追加負担が生じないので、将来の掛金負担の予測が容易。
・掛金を算定するための複雑な数理計算が不要。
・拠出限度額の範囲で掛金が税控除される。
◯デメリット
・投資リスクを各加入者が負うことになる。
・老後に受け取る年金額が事前に確定しない。
・運用するために一定の知識が必要。
・運用が不調であれば年金額が減る。
・原則60歳までに途中引き出しができない。(退職金の代わりにはならない)
・勤続期間が3年未満の場合には、資産の持ち運びができない可能性がある。
・加入者ごとに記録の管理が必要になるため、管理コストが高くなりやすい。

・掛金は全額、小規模企業等共済掛金となる。
・国民年金保険料の免除を受けていると加入することができない。
・転職や退職の際に、年金資金を移管することができる。
・老齢給付の受給は、原則、60歳以降(通算加入期間10年以上)だが、10年未満の場合は61歳以降となり、遅くとも70歳から受給できる。
・運用中の収益は非課税
・平成30年1月1日より、複数月分や1年分などまとめて拠出できるようになった。

2 中小企業退職金共済制度

■制度概要
事業主と独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)が契約を結べば、あとは退職者に直接退職金が支払われます。
(1)事業主が中退共と退職金共済契約を結びます。後日、従業員ごとの共済手帳を送付します。
(2)毎月の掛金を金融機関に納付します。掛金は全額事業主負担です。
(3)事業主は、従業員が退職したときには、「被共済者退職届」を中退共へ提出し、「退職金共済手帳(請求書)」を従業員に渡します。
(4)従業員の請求に基づいて中退共から退職金が直接支払われます。
■メリット
1 国が助成
新しく中退共制度に加入する事業主や、掛金月額を増額する事業主に、掛金の一部を国が助成します。
2 管理が簡単
掛金は口座振替なので手間がかかりません。また、従業員ごとの納付状況や退職金の試算額を事業主に知らされます。
3 掛金は非課税
掛金は、法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となります。
(注)資本金の額または出資の総額が1億円を超える法人の法人事業税には、外形標準課税が適用されます。
4 掛金月額が選べます
従業員ごとに掛金月額を選択できます。また、加入後いつでも増額できます。
(注)掛金月額を減額する場合は、一定の条件が必要です。
5 通算制度でまとまった退職金がもらえます
一定の要件を満たす従業員については、掛金納付月数などの通算ができます。
6 退職金は直接従業員へ
退職金は、勤労者退職金共済機構から直接、退職者の預金口座に振り込みますので、手間がかかりません。
(注)事業主が従業員に代わって退職金を受け取ることはできません。
7 従業員の福利厚生に利用できる提携サービス
加入企業の特典として、勤労者退職金共済機構・中退共本部と提携しているホテル、レジャー施設等を割引料金で利用できます。
8 解散存続厚生年金基金からの移行先の一つです
平成26年4月以降に解散した解散存続厚生年金基金から中退共制度へ移行の申出ができることになりました。
(出典:厚生労働省HP)

3 年金の種類と所得控除・所得の種類

年金所得控除所得の種類
公的年金社会保険料控除雑所得
国民年金基金
確定拠出年金小規模企業共済等掛金控除雑所得
退職所得
確定給付年金生命保険料控除
厚生年金基金社会保険料控除
生命保険生命保険料控除雑所得
一時所得


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