問題23
固定利付債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 市場金利の上昇は債券価格の上昇要因となり、市場金利の低下は債券価格の下落要因となる。
- 国内景気が好況期で国内物価が継続的に上昇傾向にある局面では、債券価格は上昇する傾向がある。
- 債券を償還日の直前に売却した場合、売却価格が額面価格を下回ることはない。
- 債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する傾向がある。
- 市場金利の上昇は債券価格の上昇要因となり、市場金利の低下は債券価格の下落要因となる。
- 国内景気が好況期で国内物価が継続的に上昇傾向にある局面では、債券価格は上昇する傾向がある。
- 債券を償還日の直前に売却した場合、売却価格が額面価格を下回ることはない。
- 債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する傾向がある。
[解説]
不適切である。金利と債券価格は逆の動きをする。市場金利が上昇すればこれまで発行された表面利率の低い債券は売られ、価格が下がる。また市場金利が下落すれば、これまで発行された表面利率の高い債券は買われ、価格は上昇する。
[解説]
不適切である。国内物価が上昇傾向だと金利も上昇傾向にあり、債券価格は下落する。
[解説]
不適切である。償還日前に売却すれば、売却価格が額面価格を下回る可能性がある。
[解説]
適切である。債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まる状態を信用リスクが高いという。信用リスクの高い債券は債券価格が下がらないと買い手がつかず、また金利が上がらないと魅力がない。
債券
1 債券
債券は国や企業が投資家からお金を借りるために発行する借用証書のことで、国が発行する国債・個人向け国債、地方公共団体が発効する地方債、企業が発行する社債などがある。
2 債券の基礎知識
・市場金利が上昇すると、債券価格は下落する。逆に市場金利が下落すると、債券価格は上昇する。
・債券の残存期間が長いほど、金利変動による債券価格の変動幅は大きくなる。
・債券の利率が低いほど、金利変動による債券価格の変動幅は大きくなる。
3 債券の利回り
1. 応募者利回り(%)
\begin{align*}
& =\frac{表面利率+\frac{額面(100円)-発行価格}{償還期限(年)}}{発行価格}✕100\\
\end{align*}
2. 最終利回り(%)
\begin{align*}
& =\frac{表面利率+\frac{売却価格-購入価格}{残存年数(年)}}{購入価格}×100\\
\end{align*}
3. 所有期間利回り(%)
\begin{align*}
& =\frac{表面利率+\frac{売却価格-購入価格}{所有期間(年)}}{購入価格}×100\\
\end{align*}
4. 直接利回り(%)
\begin{align*}
& =\frac{表面利率}{購入価格}×100\\
\end{align*}
4 個人向け国債
1. 変動10年
(1) 適用利率:基準金利 × 0.66
(2) 最低保証金利:0.05%
(3) 利払:半年ごと
(4) 中途換金:直前2回分の利子相当額 × (100% – 20.315%)
1年経過後に換金可能
2. 固定5年
(1) 適用利率:基準金利 – 0.05%
(2) 最低保証金利:0.05%
(3) 利払:半年ごと
(4) 中途換金:直前2回分の利子相当額 × (100% – 20.315%)
1年経過後に換金可能
3. 固定3年
(1) 適用利率:基準金利 – 0.03%
(2) 最低保証金利:0.05%
(3) 利払:半年ごと
(4) 中途換金:直前2回分の利子相当額 × (100% – 20.315%)
1年経過後に換金可能