2級FP過去問解説(学科)2021年1月【問題5】公的年金制度

問題5

公的年金制度に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

  1. ・ 厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が( ア )以上あれば、原則として65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。
  2. ・ 老齢厚生年金を受給している夫が死亡した場合、夫によって生計を維持されていた妻は、夫の国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が( イ )以上あれば、原則として遺族厚生年金を受給することができる。
  3. ・ 厚生年金保険の適用事業所に常時使用される者のうち、( ウ )以上の者は、原則として厚生年金保険の被保険者とはならない。
  1. (ア)25年 (イ)25年 (ウ)65歳
  2. (ア)25年 (イ)10年 (ウ)70歳
  3. (ア)10年 (イ)10年 (ウ)65歳
  4. (ア)10年 (イ)25年 (ウ)70歳

[正解]  (適切)

[解説]

  1. ・ 厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が( ア 10年)以上あれば、原則として65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。
  2. ・ 老齢厚生年金を受給している夫が死亡した場合、夫によって生計を維持されていた妻は、夫の国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間の合計が( イ 25年)以上あれば、原則として遺族厚生年金を受給することができる。
  3. ・ 厚生年金保険の適用事業所に常時使用される者のうち、( ウ 70歳)以上の者は、原則として厚生年金保険の被保険者とはならない。


[要点のまとめ]
公的年金制度

    目次

  1. 国民年金保険料の免除と猶予
  2. 追納
  3. 学生納付特例制度
  4. 免除と猶予 年金額への影響
  5. 任意加入被保険者
  6. 厚生年金保険

1 国民年金保険料の免除と猶予

第1号被保険者で保険料の納付が困難な場合には、次のような免除や猶予の制度がある。
・法定免除
・申請免除
・学生納付特例制度
・若年者納付猶予制度

1. 法定免除
経済的に保険料を納めることが難しい場合、保険料の免除対象となる。
次に該当する国民年金の第1号被保険者は、届け出れば保険料が免除される。

(1) 障害基礎年金または被用者年金の障害年金を受けている
(2) 生活保護の生活扶助を受けている
(3) 国立及び国立以外のハンセン病療養所などで療養している

※免除を受けた期間の基礎年金額は、国庫負担分だけになり、本来の基礎年金額の2分の1になる。追納すれば、本来の基礎年金額を受給できる。

2. 申請免除
国民年金保険料の申請免除は、所得に応じて免除割合が異なる。
所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、本人が申請書を提出し、申請後に承認されると保険料の納付が免除となる。
免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類ある。

2 追納

上記の制度や特例を利用した場合、10年以内の追納が認められる。なお申請せず保険料を納付しなかった場合は滞納となり、納付期限は2年以内となる。

3 学生納付特例制度

日本国内に住むすべての人は、20歳になったときから国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられている。しかし学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられている。 本人の所得が一定以下(※)の学生が対象となる。なお家族の所得金額は問われない。
(※) 所得基準(申請者本人のみ)
 118万円 + 扶養親族等の数 × 38万円 + 社会保険料控除等

学生納付特例制度は追納しなくても受給資格期間に算入される。ただし追納しなければ年金額へ反映されない。なお一部免除の場合、追納しなければ受給資格期間への算入もない。

4 免除と猶予 年金額への影響

受給資格期間
への算入
年金額への反映
納付
全額免除
一部免除△(納付すれば○)△(納付すれば○)
学生納付特例
若年者納付猶予
△(追納すれば○)
未納××

5 任意加入被保険者

任意加入被保険者は、
・60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合 や
・満額受給できない場合 などで
次の者が一定の要件を満たせば国民年金に任意で加入できる。
・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者
・受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の者
・日本国籍を有する、国内に住所がない20歳以上65歳未満の者

6 厚生年金保険

<厚生年金保険>
1.適用事業者
(1) 強制適用事業所
厚生年金保険の適用事業所となるのは、株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)である。また、従業員が常時5人以上いる個人の事業所についても、農林漁業、サービス業などの場合を除いて厚生年金保険の適用事業所となる。
(2) 任意適用事業所
上記(1)の適用事業所以外の事業所であっても、従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることにより適用事業所となることができる。
2.被保険者
(1) 被保険者
厚生年金保険に加入している会社、工場、商店、船舶などの適用事業所に常時使用される70歳未満の人は、国籍や性別、年金の受給の有無にかかわらず、厚生年金保険の被保険者となる。
「常時使用される」とは、雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対償として給与や賃金を受けるという使用関係が常用的であることを指す。試用期間中でも報酬が支払われる場合は、使用関係が認められる。
(2) パートタイマー・アルバイト等
パートタイマー・アルバイト等でも事業所と常用的使用関係にある場合は、被保険者となる。1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である方は被保険者とされる。
また、一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす人は、被保険者となる。
・週の所定労働時間が20時間以上あること
・雇用期間が1年以上見込まれること
・賃金の月額が8.8万円以上であること
・学生でないこと
・常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること
3.標準報酬月額の決定
毎年、7月1日現在で使用される全被保険者について、同日前3か月間(4月、5月、6月、いずれも支払基礎日数17日以上※)に受けた報酬の総額をその期間の総月数で除して得た額を報酬月額として標準報酬月額を決定する。
※特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上


error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました