2級FP過去問解説(学科)2021年9月【問題36】所得税額の計算と税額控除

問題36

所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。

  1. 住宅ローン控除の対象となる家屋は、納税者がもっぱら居住の用に供する家屋に限られ、店舗併用住宅は対象とならない。
  2. 住宅ローン控除の適用を受けるためには、その対象となる家屋を取得等した日から6ヵ月以内に自己の居住の用に供さなければならない。
  3. 給与所得者が住宅ローン控除の適用を受けようとする場合、最初の年分については年末調整の対象者であっても確定申告しなければならない。
  4. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、転勤等のやむを得ない事由により転居したため、取得した住宅を居住の用に供しなくなった場合、翌年以降に再び当該住宅をその者の居住の用に供すれば、原則として再入居した年以降の控除期間内については住宅ローン控除の適用を受けることができる。

[正解]  (不適切)

[解説]

  1. 住宅ローン控除の対象となる家屋は、納税者がもっぱら居住の用に供する家屋に限られ、店舗併用住宅は対象とならない
  2. [解説]
    不適切である。住宅ローン控除の対象となる家屋は、店舗併用住宅でも居住の用に供する家屋部分は対象となる。

  3. 住宅ローン控除の適用を受けるためには、その対象となる家屋を取得等した日から6ヵ月以内に自己の居住の用に供さなければならない。
  4. [解説]
    適切である。設問の通り、住宅ローン控除の適用を受けるためには、その対象となる家屋を取得等した日から6ヵ月以内に自己の居住の用に供さなければならない。

  5. 給与所得者が住宅ローン控除の適用を受けようとする場合、最初の年分については年末調整の対象者であっても確定申告しなければならない
  6. [解説]
    適切である。設問の通り、給与所得者であっても、最初の年分については年末調整の対象者であっても確定申告しなければならない。

  7. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、転勤等のやむを得ない事由により転居したため、取得した住宅を居住の用に供しなくなった場合、翌年以降に再び当該住宅をその者の居住の用に供すれば、原則として再入居した年以降の控除期間内については住宅ローン控除の適用を受けることができる。
  8. [解説]
    適切である。設問の通り、やむを得ない事由での転居であれば、再び住宅に戻ってくることで、住宅ローン控除の適用を受けることができる。


[要点のまとめ]
所得税額の計算と税額控除

    目次

  1. 住宅借入金等特別控除

1 住宅借入金等特別控除

1. 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の概要
一定の要件を満たす住宅ローンを利用した場合、年末残高に一定の率をかけた額が税額控除される。税額控除は所得税から差し引かれる控除で、給与所得者の場合、源泉徴収額から還付される。所得控除との違いを意識しておさえておくこと。なお税額控除は、配当控除、住宅ローン控除、外国税額億除の3つしかない。

2. 控除率と控除期間

居住年年末残高限度額控除率控除期間
令和元年10月1日~令和2年12月31日(※)一般4,000万円
認定5,000万円
1%10年
令和3年1月1日~令和3年12月31日一般4,000万円
認定5,000万円
1%10年

※特別特定取得に該当する場合
消費税が10%に変更されたことに伴い、住宅ローン控除も改正された。10年間の住宅ローン控除はこれまでと同様だが、11年~13年目の3年間延長され、この期間の控除額は「住宅ローンの年末残高 × 所定の割合(控除率)」と「(住宅取得等対価の額 – 消費税額 × 2% ÷ 3」のいずれか少ないほうになる。

3. 住宅ローン控除の要件
(1) 返済期間10年以上
(2) 住宅取得日から6か月以内に居住を開始し、適用を受ける各年の年末まで引き続き居住していること
(3) 控除年の合計所得金額が3,0000万円以下であること
※合計所得金額が3,000万円を超えても、翌年下回れば、再び適用を受けられる。ただし適用期間10年は変わらない。
(4) 住宅の床面積50㎡以上で、床面積の2分の1以上が自分で居住するためのものであること

4. 適用を受けるために
給与所得者であっても、適用を受ける初年度は確定申告しなければならない。2年目以降は年末調整で処理される。

5. 備考
(1) たとえば所得税額30万円 控除額40万円の場合
30万円還付されるが、引ききれない10万円分については翌年の住民税から控除できる。ただ支払った税金以上に返ってくることはないため、所得税額が少ない人は十分に活用できないこともある。
(2) 一部繰り上げ返済により返済期間がローン返済開始から10年未満となった場合適用を受けられなくなるため、一部繰り上げ返済をする際には注意が必要である。

6. 改正
・令和3年1月1日から令和4年12月31日までに居住の用に供した場合は、40㎡以上50㎡未満も対象となる(令和3年度税制改正)


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