2級FP過去問解説(個人資産)2019年9月【問4】株式指標

【第2問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問4》~《問6》)に答えなさい。


《設 例》
会社員のAさん(42歳)は、同業種のX社株式またはY社株式(2銘柄とも東京証券取引所市場第一部上場)のいずれかを2014年にZ証券会社で開設したNISA口座で購入したいと考えている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
なお、Aさんが開設1年目にNISA口座で購入した上場株式の非課税期間は2018年12月末に終了したことから、当該株式は2019年NISA口座に設定された非課税管理勘定に移管(ロールオーバー)している。2014年中にNISA口座で購入した上場株式の株価は、ロールオーバー時に下落していた。Aさんは、Z証券会社において、特定口座を開設している。

<株価データ>
X社:株価730円、発行済株式総数4億株、1株当たり配当金20円
Y社:株価1,000円、発行済株式総数1億5,000万株、1株当たり配当金30円
※《設例》および各問において、以下の名称を使用している。
・少額投資非課税制度に係る非課税口座を「NISA口座」という。
・非課税上場株式等管理契約に係る少額投資非課税制度を「一般NISA」という。
・非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度を「つみたてNISA」という。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問4

はじめに、Mさんは、Aさんに対して、《設例》のデータに基づいて、X社およびY社の投資指標について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①、③、④に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。空欄②は、解答用紙の「X社/Y社」のいずれかから選び、○印で囲みなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。

Ⅰ 「ROEが高い水準で推移していれば、一般に当該企業の収益性は高いと判断できます。X社のROEは( ① )%であり、Y社との比較では、( ② )のほうが収益性は高いと判断できます」
Ⅱ 「X社のPERは( ③ )倍です。一般にPERが高いほど、株価は割高といえます」
Ⅲ 「株主還元率として一般に用いられる指標に配当性向がありますが、X社の配当性向は( ④ )%であり、Y社がX社を上回ります。また、株式投資の利回りの指標となる配当利回りについても、Y社がX社を上回ります」



[正解]
① 13.33(%) ②X社
③ 10.43(倍) ④28.57(%)

[解説]

Ⅰ ROE(自己資本利益率)=税引後当期純利益÷自己資本×100
・X社 28,000÷210,000×100=13.333
 よって、13.33(%)・・・①
・Y社 12,000÷110,000×100=10.909(%)
 よって、10.91(%)
・数値が高いX社の方が収益性は高いと判断できる。
Ⅱ PER(株価収益率)=株価÷1株あたり純利益(EPS)
・X社 730÷70=10.428
 よって、10.43(倍)・・・③
 ※EPS=28,000百万円÷4億株=70円
・Y社 1,000÷80=12.5
 よって、12.5(倍)
 ※EPS=12,000百万円÷1億5,0000万株=80円
Ⅲ 配当性向=配当金総額÷税引後当期純利益×100
・X社 8,000÷28,000×100=28.571
 よって、28.57(%)・・・④
・Y社 4,500÷12,000×100=37.5(%)

[要点のまとめ]

<株式指標>
(1) PER(株価収益率)(倍)
・株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す指標で、同業他社と比べPERが低い銘柄は割安と判断する。
(算式)株価÷1株あたり純利益(EPS)
(2) PBR(株価純資産倍率)
・株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標で、1倍を下回るか、1倍に近い銘柄ほど割安となる。
(算式)株価÷1株あたり純資産(BPS)
(3) ROE(自己資本利益率)(%)
・自己資本は株主が出資した資金のことで、自己資本でどのぐらい利益を上げたかをみる指標である。
(算式)税引後当期純利益÷自己資本×100
(4) 配当利回り(%)
・株価に対する配当金の割合で、どのくらいの配当金を受け取れるかをみるための指標である。
(算式)1株あたり配当金÷株価×100
(5) 配当性向(%)
・純利益に対する配当金の割合で、企業が純利益からどのくらい配当金を出しているかをみるための指標である。
(算式)配当金総額÷税引後当期純利益×100


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