2級FP過去問解説(個人資産)2019年9月【問13】事業承継

【第5問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。


Aさん(70歳)は、飲食店X屋を営む個人事業主(青色申告者)である。X屋は、Aさんが父親(既に他界)から承継したもので、現在では年商1億円を超える有名店となっている。
Aさんは、体力の衰えを感じており、長男Cさんに事業を承継することを決意した。
Aさんは、所有財産のうち、妻Bさんには自宅および自宅に隣接する賃貸アパートを相続させ、長男CさんにはX屋の店舗およびその敷地を承継したいと考えている。長女Dさんは、会社員の夫、2人の子と他県の賃貸マンションに住んでおり、Aさんに対して、住宅取得資金の援助を期待しているようである。
なお、長男Cさんと長女Dさんは、日頃から折り合いが悪く、Aさんは自身の相続が起こった際に遺産分割で争いが生じるのではないかと不安を感じている。
<Aさんの推定相続人>
妻Bさん (68歳):X屋勤務。Aさんと自宅で同居している。
長男Cさん(43歳):X屋勤務。妻と子2人がおり、Aさん夫妻と同居している。
長女Dさん(40歳):専業主婦。夫と子2人で賃貸マンションに住んでいる。
<Aさんの主な所有財産(相続税評価額)>
現預金等 : 7,000万円
自宅敷地(300㎡) : 6,000万円(注)
自宅建物 : 3,000万円
賃貸アパート敷地(240㎡) : 5,000万円(注)
賃貸アパート建物 : 2,000万円
X屋店舗敷地(450㎡) : 8,000万円(注)
X屋店舗建物 : 5,000万円
合計 3億6,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問13

X屋の事業承継に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ルのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

Ⅰ 「2019年度税制改正において、個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例(以下、「本特例」という)が創設されました。本特例の適用を受けた場合、後継者が先代事業者から贈与または相続等により取得した特定事業用資産に係る贈与税・相続税の( ① )の納税が猶予されます。後継者は、2019年4月1日から2024年3月31日までの5年間に個人事業承継計画を( ② )に提出し、確認を受ける必要があります。また、特定事業用資産とは、先代事業者の事業の用に供されていた宅地等(( ③ )㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、その他一定の減価償却資産で青色申告書の貸借対照表に計上されていたものをさします」
Ⅱ 「長男CさんがAさんの相続によりX屋店舗敷地を取得した場合、所定の要件を満たすことで、特定事業用宅地等として、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます。特定事業用宅地等に該当するX屋店舗敷地は、( ③ )㎡までの部分について、通常の価額から80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」
Ⅲ 「本特例の適用を受けて相続等により取得した事業用の宅地は、特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の対象( ④ )」

<語句群>

イ.240 ロ.330 ハ.400 ニ.75%相当額 ホ.90%相当額
ヘ.全額 ト.経済産業大臣 チ.都道府県知事 リ.所轄税務署長
ヌ.となります ル.とはなりません



[正解]
 ② ③ ④

[解説]

「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例」は、個人が事業承継する場合、要件を満たせば、納税が猶予され、その後継者が死亡したときに納税が免除される制度である。

Ⅰ 「2019年度税制改正において、個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例(以下、「本特例」という)が創設されました。本特例の適用を受けた場合、後継者が先代事業者から贈与または相続等により取得した特定事業用資産に係る贈与税・相続税の(① 全額)の納税が猶予されます。後継者は、2019年4月1日から2024年3月31日までの5年間に個人事業承継計画を(② 都道府県知事)に提出し、確認を受ける必要があります。また、特定事業用資産とは、先代事業者の事業の用に供されていた宅地等((③ 400)㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、その他一定の減価償却資産で青色申告書の貸借対照表に計上されていたものをさします」
Ⅱ 「長男CさんがAさんの相続によりX屋店舗敷地を取得した場合、所定の要件を満たすことで、特定事業用宅地等として、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます。特定事業用宅地等に該当するX屋店舗敷地は、(③ 400)㎡までの部分について、通常の価額から80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」
Ⅲ 「本特例の適用を受けて相続等により取得した事業用の宅地は、特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の対象(④ とはなりません)」

[要点のまとめ]

<贈与税・相続税の納税猶予および免除の特例>
令和元年度税制改正により創設された個人版事業承継税制である。
青色申告に係る事業を行っていた事業者の後継者として円滑化法の認定を受けた者が、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの贈与又は相続等により、特定事業用資産を取得した場合は、
① その青色申告に係る事業の継続等、一定の要件のもと、その特定事業用資産に係る贈与税・相続税の全額の納税が猶予され、
② 後継者の死亡等、一定の事由により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納税が免除される。

この制度の対象となる「特定事業用資産」とは、先代事業者(贈与者・被相続人)の事業の用に供されていた次の資産で、贈与又は相続等の日の属する年の前年分の事業所得に係る青色申告書の貸借対照表に計上されていたものをいう。
① 宅地等(400㎡まで)
② 建物(床面積800㎡まで)
③ 固定資産税の課税対象とされているものなど


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