2級FP過去問解説(個人資産)2021年1月 《問5》

【第2問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問4》~《問6》)に答えなさい。


 会社員のAさん(40歳)は、預貯金を500万円程度保有しているが、上場株式を購入した経験がない。Aさんは、証券会社でNISA口座を開設し、同じ業種のX社株式またはY社株式(2銘柄とも東京証券取引所市場第一部上場)を同口座で購入したいと考えている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

<株価データ>
 X社:株価1,250円、発行済株式数5億株、1株当たり年間配当金40円
 Y社:株価1,354円、発行済株式数2億株、1株当たり年間配当金50円

  • ※《設例》および各問において、以下の名称を使用している。
  • ・少額投資非課税制度に係る非課税口座を「NISA口座」という。
  • ・非課税上場株式等管理契約に係る少額投資非課税制度を「一般NISA」といい、当該非課税管理勘定を「一般NISA勘定」という。
  • ・非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度を「つみたてNISA」といい、当該累積投資勘定を「つみたてNISA勘定」という。
  • ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

《問5》

Mさんは、Aさんに対して、《設例》のデータに基づいて、株式の投資指標等について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  • ① 「 PBRは、株価(時価総額)が企業の純資産(自己資本)と比べて割高であるか、割安であるかを判断するための指標です。PBRが1倍を下回るX社株式およびY社株式は割安と判断できます」
  • ② 「一般に、配当利回りが高いほど、株主に対する利益還元の度合いが高いと考えることができます。Y社株式の配当利回りは50%であり、X社株式の配当利回りを上回ります」
  • ③ 「一般に、自己資本比率が高いほど、経営の安全性が高いと考えられています。自己資本比率はY社よりもX社のほうが高くなっています」


[正解]
 ×  ② ×  ③ ○ 

[解説]

  1. ① 「 PBRは、株価(時価総額)が企業の純資産(自己資本)と比べて割高であるか、割安であるかを判断するための指標です。PBRが1倍を下回るX社株式およびY社株式は割安と判断できます」
  2. [解説]
    不適切である。PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す指標で、1倍を下回るか、1倍に近い銘柄ほど割安となる。「株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)」で求める。PBRの説明は正しい。次にそれぞれのPBRを求める。
    ・X社のPBR:1,250円 ÷ 1,100
    = 1.136・・・
    ※1株あたり純資産:550,000百万円 ÷ 5億株 = 1,100円
    ・Y社のPBR:1,354円 ÷ 1,200
    = 1.128・・・
    ※1株あたり純資産:240,000百万円 ÷ 2億株 = 1,200円
    いずれも1倍を超えているため、誤り。

  3. ② 「一般に、配当利回りが高いほど、株主に対する利益還元の度合いが高いと考えることができます。Y社株式の配当利回りは50%であり、X社株式の配当利回りを上回ります」
  4. [解説]
    不適切である。配当利回り(%)は、株価に対する配当金の割合で、どのくらいの配当金を受け取れるかをみるための指標である。「1株あたり配当金 ÷ 株価 × 100」で求める。問題の「株主に対する利益還元の度合い」は、配当性向の説明である。配当性向は、純利益に対する配当金の割合で、企業が純利益からどのくらい配当金を出しているかをみるための指標である。一応、それぞれの配当利回りを求める。
    ・X社の配当利回り: 40円 ÷ 1,250円 × 100
    = 3.2%
    ・Y社の配当利回り:50円 ÷ 1,354円 × 100
    = 3.692・・・

  5. ③ 「一般に、自己資本比率が高いほど、経営の安全性が高いと考えられています。自己資本比率はY社よりもX社のほうが高くなっています」
  6. [解説]
    適切である。自己資本比率は、「自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本(=資産) × 100」で求める。
    ・X社の自己資本比率:550,000百万円 ÷ 920,000百万円 × 100
      = 59.78・・・
    ・Y社の自己資本比率:240,000百万円 ÷ 720,000百万円 × 100
      = 33.33・・・
    よって、自己資本比率はY社よりもX社のほうが高い。

[要点のまとめ]

解説者

FPオフィスベストライフ代表。CFP®認定者・宅建士(未登録)などの資格を保有し、個人相談や執筆業務を行っています。FP資格関連では、LEC東京リーガルマインド、職業訓練校、アガルートなどでFP講師、FP資格の解説本を執筆・校閲した経験があります。
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