2級FP過去問解説(個人資産)2021年1月 《問9》

【第3問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問7》~《問9》)に答えなさい。


 X株式会社(以下、「X社」という)に勤務する会社員のAさんは、妻Bさん、長女Cさんおよび母Dさんとの4人家族である。Aさんは、2020年10月に定年を迎え、X社から退職金の支給を受けた。Aさんは、X社の継続雇用制度を利用して、引き続き、X社に勤務している。なお、金額の前の「▲」は赤字であることを表している。

<Aさんとその家族に関する資料>

  • Aさん (60歳)  : 会社員
  • 妻Bさん (53歳) : 専業主婦。2020年中に、パートタイマーとして給与収入100万円を受け取っている。
  • 長女Cさん(25歳) : 大学院生。2020年中の収入はない。
  • 母Dさん (84歳) : 2020年中に、老齢基礎年金60万円を受け取っている。

<Aさんの2020年分の収入等に関する資料>
 (1) 給与収入の金額   : 750万円
 (2) 不動産所得の金額  : ▲150万円
  ・損失の金額150万円のうち、土地等の取得に係る負債の利子10万円を含む。
 (3) 一時払変額個人年金保険(確定年金)の解約返戻金
  契約年月        : 2009年5月
  契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん
  死亡保険金受取人    : 妻Bさん
  解約返戻金額      : 800万円
  一時払保険料      : 500万円
 (4) X社から支給を受けた退職金の額 : 2,200万円
  ・定年を迎えるまでの勤続年数は34年9カ月である。
  ・「退職所得の受給に関する申告書」を提出している。

  • ※妻Bさん、長女Cさんおよび母Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
  • ※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
  • ※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2020年12月31日現在のものである。
  • ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

《問9》

 Aさんの2020年分の所得税の課税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  • ① 「妻Bさんの合計所得金額は48万円以下であるため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます」
  • ② 「Aさんが適用を受けることができる長女Cさんに係る扶養控除の控除額は、38万円です」
  • ③ 「Aさんが適用を受けることができる母Dさんに係る扶養控除の控除額は、48万円です」


[正解]
 ○ ② ○ ③ ×

[解説]

  1. ① 「妻Bさんの合計所得金額は48万円以下であるため、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます」
  2. [解説]
    適切である。配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が48万円以下で、納税者の合計所得金額に応じて配偶者控除額が決まる。納税者本人の合計所得金額は1,000万円以下でなければならない。

  3. ② 「Aさんが適用を受けることができる長女Cさんに係る扶養控除の控除額は、38万円です」
  4. [解説]
    適切である。扶養控除は、年間の合計所得金額が48万円以下であることなどが要件となる。長女Cさんに収入はなく、扶養親族に該当する。また25歳であるため、一般扶養控除(16歳以上)に該当することから、控除額は38万円である。

  5. ③ 「Aさんが適用を受けることができる母Dさんに係る扶養控除の控除額は、48万円です」
  6. [解説]
    不適切である。母Dさんの収入は60万円なので、年間の合計所得金額が48万円以下である。年齢は84歳であることから、老人扶養親族(70歳以上)に該当し、Aさんと同居し、生計を一にしていることから、控除額は58万円となる。

[要点のまとめ]

解説者

FPオフィスベストライフ代表。CFP®認定者・宅建士(未登録)などの資格を保有し、個人相談や執筆業務を行っています。FP資格関連では、LEC東京リーガルマインド、職業訓練校、アガルートなどでFP講師、FP資格の解説本を執筆・校閲した経験があります。
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