2級FP過去問解説(個人資産)2021年1月 《問11》

【第4問】 次の設例に基づいて、下記の各問(《問10》~《問12》)に答えなさい。


 Aさん(55歳)は、自動車メーカーに勤務する会社員である。2020年10月、M市内の実家(甲土地および建物)で1人暮らしをしていた母親が死亡した。法定相続人は、1人息子のAさんのみであり、相続に係る申告・納税等の手続は完了している。
 甲土地(地積:300㎡)は、最寄駅から徒歩5分に位置し、準住居地域に指定されている。周辺では宅地開発が進んでおり、築50年を超える実家の建物は、周りの建物に比べると、いかにも場違いな存在となっている。
 Aさんは、他県に所有する持家に妻と子の3人で暮らしており、実家の売却を検討している。他方、先日、大手ドラッグストアのX社から「甲土地での新規出店を考えています。弊社との間で事業用定期借地権の契約を締結してもらえないでしょうか」との提案があり、Aさんは甲土地の有効活用にも興味を抱くようになった。

  • ・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
  • ・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
  •   

  • ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

《問11》

 X社が提案する事業用定期借地権方式に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

  • ① 「事業用定期借地権方式とは、借主であるX社が甲土地を契約で一定期間賃借し、X社が建物を建設する手法です。本方式のメリットとして、土地を手放さずに安定した地代収入を得ることができること、期間満了後は土地が更地となって返還される点などが挙げられます」
  • ② 「事業用定期借地権等は、存続期間が10年以上30年未満の事業用借地権と30年以上50年未満の事業用定期借地権に区別されます。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書により作成しなければなりません」
  • ③ 「X社が甲土地にドラッグストアの店舗を建設した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。自用地価額1億円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%とした場合の甲土地の相続税評価額は8,200万円です」


[正解]
 ○ ② ○ ③ ×

[解説]

  1. ① 「事業用定期借地権方式とは、借主であるX社が甲土地を契約で一定期間賃借し、X社が建物を建設する手法です。本方式のメリットとして、土地を手放さずに安定した地代収入を得ることができること、期間満了後は土地が更地となって返還される点などが挙げられます」
  2. [解説]
    適切である。事業用定期借地権方式は、土地に借地権を設定して貸し出す方法。土地の譲渡や建設資金は不要である。

  3. ② 「事業用定期借地権等は、存続期間が10年以上30年未満の事業用借地権と30年以上50年未満の事業用定期借地権に区別されます。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書により作成しなければなりません」
  4. [解説]
    適切である。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書により作成しなければならない。

  5. ③ 「X社が甲土地にドラッグストアの店舗を建設した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。自用地価額1億円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%とした場合の甲土地の相続税評価額は8,200万円です」
  6. [解説]
    不適切である。Aさんは甲土地をX社に貸しているため、貸宅地として評価される。自用地価額1億円、借地権割合60%とした場合の甲土地の相続税評価額は、1億円 × 40% = 6,000万円となる。

[要点のまとめ]

解説者

FPオフィスベストライフ代表。CFP®認定者・宅建士(未登録)などの資格を保有し、個人相談や執筆業務を行っています。FP資格関連では、LEC東京リーガルマインド、職業訓練校、アガルートなどでFP講師、FP資格の解説本を執筆・校閲した経験があります。
※誤字脱字・解答解説ミスなどございましたら、ページ下よりご報告いただけると幸いです。

FP試験研究所をフォローする
2級FP/2021年1月(個人資産)
スポンサーリンク
FP講師による【2級FP】過去問解答解説
error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました