問16
会社員の大津さんの2018年分の所得等は下記<資料>のとおりである。大津さんが所得税の確定申告を行う際、給与所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
- 不動産所得の計算上生じた損失▲30万円と損益通算できる。
- ゴルフ会員権の譲渡損失▲100万円と損益通算できる。
- 上場株式の譲渡損失▲20万円と損益通算できる。
- 損益通算できる損失はない。
[正解] 4 (適切)
- 不動産所得の計算上生じた損失▲30万円と損益通算できる。
- ゴルフ会員権の譲渡損失▲100万円と損益通算できる。
- 上場株式の譲渡損失▲20万円と損益通算できる。
- 損益通算できる損失はない。
[解説]
土地の取得に要した借入金の利子160万円」は損益通算することができない。そのため、不動産所得の損失では損益通算できない。
[解説]
ゴルフ会員権の譲渡損失は生活に必要な資産ではないため、損益通算できない。
[解説]
株式や不動産の譲渡損失は損益通算できない(原則)。
[解説]
肢1から肢3により、損益通算できる損失はないと判断できる。損益通算できる損失は、「不事山譲」が原則だが、例外までしっかり理解しておこう。
<損益通算>
1.損益通算できる所得の損失
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の頭文字をとって、「不事山譲」。あくまでも、損益通算できる所得の損失なので、相手方は給与所得や一時所得でも構わない(勘違いしやすい)。
2.不事山譲の例外
(1) 不動産所得の損失における例外
土地の取得のために要した借入金の利子等は損益通算できない。
(2) 譲渡所得の損失における例外
株式の譲渡や不動産の譲渡、生活する上で必要のない資産の譲渡による損失は損益通算できない。
※例外の例外として、株式の譲渡における損失は損益通算できないが、特例により配当所得との損益通算が可能である。