2級FP過去問解説(資産設計)2019年5月【問15】総所得金額

問15

 沼田慎吾さん(66歳)の2018年分の収入等が以下のとおりである場合、慎吾さんの2018年分の所得税における総所得金額として、正しいものはどれか。

<2018年分の収入等>

内容金額
 老齢厚生年金および企業年金(老齢年金)320万円
 生命保険の満期保険金200万円
  • 老齢厚生年金および企業年金は、公的年金等控除額を控除する前の金額である。
  • 生命保険は保険期間30年の養老保険であり、保険契約者および満期保険金受取人は慎吾さんである。保険料はすべて慎吾さんが負担し、総額は140万円である。なお、契約者配当については考慮しないこととする。

<公的年金等控除額の速算表>

納税者区分公的年金等の収入金額公的年金等控除額
 65歳未満の者 130万円未満 70万円
 130万円以上 410万円未満 収入金額×25%+37.5万円
 410万円以上 770万円未満 収入金額×15%+78.5万円
 770万円以上 収入金額×5%+155.5万円
 65歳以上の者 330万円未満 120万円
 330万円以上 410万円未満 収入金額×25%+37.5万円
 410万円以上 770万円未満 収入金額×15%+78.5万円
 770万円 収入金額×5%+155.5万円
  1. (320万円-120万円)+(200万円-140万円-50万円)×1/2=205万円
  2. (320万円-120万円)+(200万円-140万円-50万円)=210万円
  3. (320万円-120万円)+(200万円-140万円)×1/2=230万円
  4. (320万円-120万円)+(200万円-140万円)=260万円

[正解]  (適切)

[解説]

式が与えられており、よく見ると公的年金等の雑所得の計算式は同じなので、生命保険の一時所得だけ考えればよい。
求めるのは総所得金額なので、「総所得金額に算入すべき一時所得の金額」を求めなければならない。よって、50万円控除と2分の1が必要となる。
よって、
(320万円-120万円)+(200万円-140万円-50万円)×1/2=205万円
となる。


[要点のまとめ]

<総所得金額の計算>
1.総所得金額の計算のポイント
総所得金額の計算は学科でもよく出題される。総所得金額であるため、大前提として総合課税と分離課税の区別をしておかなければならない。各所得の計算方法と総合所得金額に算入する際の決まりについて理解しておく必要がある。
2.よく出る所得
(1) 不動産所得、給与所得、一時所得、事業所得、雑所得、譲渡所得(分離課税として)
(2) 遺族給付などそもそも非課税の収入がある。
3.損益通算する
(1) 総所得金額に算入する際には損益通算の知識が必要である(下記参照)。
(2) 一時所得の損失は損益通算できないため、総合課税でも算入しない場合がある。
(3) 分離課税は除外し、損益通算したあと総所得金額に算入する。
3、総所得金額への合算
(1) 一時所得は1/2する。
(2) 給与収入や年金収入は控除額を求めてから算入。

<損益通算>
1.損益通算できる所得の損失
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の頭文字をとって、「不事山譲」。あくまでも、損益通算できる所得の損失なので、相手方は給与所得や一時所得でも構わない(勘違いしやすい)。
2.不事山譲の例外
(1) 不動産所得の損失における例外
土地の取得のために要した借入金の利子等は損益通算できない
(2) 譲渡所得の損失における例外
株式の譲渡や不動産の譲渡、生活する上で必要のない資産の譲渡による損失は損益通算できない
※例外の例外として、株式の譲渡における損失は損益通算できないが、特例により配当所得との損益通算が可能である。

関連問題


<解説・みんなの評価>

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