2級FP過去問解説(資産設計)2019年5月【問32】遺族給付

【第9問】下記の(問28)~(問34)について解答しなさい。


<設例>
野村政彦さんは、民間企業に勤務する会社員である。政彦さんと妻の泰子さんは、今後の資産形成や家計の見直しなどについて、FPで税理士でもある榎田さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2019年4月1日現在のものである。

[収入金額(2018年)]
政彦さん:給与収入750万円。給与収入以外の収入はない。
泰子さん:給与収入100万円。給与収入以外の収入はない。
[金融資産(時価)]
・政彦さん名義
 銀行預金(普通預金):150万円
 銀行預金(定期預金):200万円
・泰子さん名義
 銀行預金(普通預金):20万円
 銀行預金(定期預金):30万円
[住宅ローン]
契約者:政彦さん
借入先:GY銀行
借入時期:2008年6月
借入金額:4,000万円
返済方法:元利均等返済(ボーナス返済なし)
金利:固定金利型
返済期間:35年間
[保険]
定期保険A:保険金額2,000万円。保険契約者(保険料負担者)および被保険者は政彦さん。低解約返戻金型終身保険B:保険金額300万円。保険契約者(保険料負担者)および被保険者は政彦さん。
火災保険C:保険金額1,500万円。保険の目的は建物、保険契約者は政彦さん。保険期間35年。


問32

 泰子さんは、政彦さんが死亡した場合の公的年金の遺族給付について、FPの榎田さんに相談をした。仮に政彦さんが、2019年10月に46歳で在職中に死亡した場合に、政彦さんの死亡時点において泰子さんが受け取ることができる公的年金の遺族給付の額として、正しいものはどれか。なお、遺族給付の額の計算に当たっては、下記<資料>の金額を使用することとする。

<資料>

遺族厚生年金の額:600,000円
中高齢寡婦加算額:584,500円
遺族基礎年金の額:779,300円
遺族基礎年金の子の加算額(対象の子1人当たり)
第1子・第2子:224,300円
第3子以降:74,800円
※政彦さんは、20歳から大学卒業まで国民年金に加入し、大学卒業後の22歳から死亡時まで継続して厚生年金保険に加入しているものとする。
※家族に障害者に該当する者はなく、記載以外の遺族給付の受給要件はすべて満たしている。

  1.   600,000円
  2. 1,184,500円
  3. 1,603,600円
  4. 1,827,900円

[正解]  (適切)

[解説]

・遺族基礎年金
 遺族基礎年金は、子(18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子)か子のある配偶者がいることが条件となる。健斗さんと悠斗さんともに条件を満たしている。
 779,300円+224,300円+224,300円=1,227,900円
・遺族厚生年金
 保険料の滞納など記載がないため、支給される。
 600,000円
・中高齢寡婦加算
 政彦さんは22歳から46歳まで厚生年金に加入しているため、被保険者期間が20年以上ある。また泰子さんは40歳以上であるが、遺族基礎年金を受給できるため、中高齢寡婦加算は支給されない。
 0円
よって、1,227,900円+600,000円=1,827,900円 となる。

[要点のまとめ]

<遺族給付>
1.遺族基礎年金の要件
・被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上あること。
・保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あること。
※ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければよい。
(対象者)
・死亡した者によって生計を維持されていた、(1)子のある配偶者か(2)
 子とは、
 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
2.遺族厚生年金の要件
被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき
・保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の1以上あること。
※ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければよい。
・老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
・1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。
(対象者)
・死亡した者によって生計を維持されていた、
 妻
 子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)
※30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となる。
※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限る)は、遺族基礎年金も併せて受けられる)。

3.中高齢寡婦加算の要件
死亡した夫の被保険者期間が20年以上の場合の加算給付の1つ。遺族基礎年金は子どものいない妻には支給されませんず、子がいてもその子が18歳(18歳の誕生日の属する年度末まで)または20歳(1級・2級の障害の子)に達すれば支給されなくなるが、夫が死亡したときに40歳以上で子のない妻(夫の死亡後40歳に達した当時、子がいた妻も含む)が受ける遺族厚生年金には、40歳から65歳になるまでの間中高齢の寡婦加算(定額)が加算される。妻が65歳になると自分の老齢基礎年金が受けられるため、中高齢の寡婦加算はなくなる。

関連問題


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