2級FP過去問解説(資産設計)2021年1月【問2】

問2

 フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を遂行する軸として2017年3月に金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「本原則」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 本原則では、金融事業者は顧客の資産状況、取引経験、知識等を把握し、当該顧客にふさわしい金融商品の販売、推奨等を行うべきだとしている。
  2. 本原則は、金融事業者がとるべき行動について、金融庁が詳細に規定する「ルールベース・アプローチ」のみを採用するとしている。
  3. 金融事業者が、本原則を採択したうえで、自らの状況等に照らし、本原則の一部を実施しない場合は、その理由や代替策を十分に説明することが求められる。
  4. 本原則を採択する場合、金融事業者は策定した業務運営に関する方針を定期的に見直す必要がある。

[正解]  (不適切)

[解説]

  1. 本原則では、金融事業者は顧客の資産状況、取引経験、知識等を把握し、当該顧客にふさわしい金融商品の販売、推奨等を行うべきだとしている。
  2. [解説]
    適切である。フィデューシャリー・デューティー(fiduciary duty)は、受託者責任と訳されるが、一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称として用いる動きが広がっている。「顧客本位の業務運営に関する原則」は、広く金融事業者全体を対象としている。説明は、「顧客本位の業務運営に関する原則」の原則6に該当し、「金融事業者は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び取引目的・ニーズを把握し、当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの組成、販売・推奨等を行うべきである」としている。

  3. 本原則は、金融事業者がとるべき行動について、金融庁が詳細に規定する「ルールベース・アプローチ」のみを採用するとしている。
  4. [解説]
    不適切である。「ルールベース・アプローチ」と「プリンシプル・ベース」を採用している。「ルールベース・アプローチ」は規則に照らし合わせて対応していく考え方であるが、新しい金融商品や取引手法に対応しにくい問題点がある。これまでもルールに隙間が出ると法改正で対応してきた。一方、「プリンシプル・ベース」は金融機関が重要な原則や規範を示し、経営管理やガバナンスを改善していく考え方である。この2つの規制手法を組み合わせることとしている。

  5. 金融事業者が、本原則を採択したうえで、自らの状況等に照らし、本原則の一部を実施しない場合は、その理由や代替策を十分に説明することが求められる。
  6. [解説]
    適切である。採択した「顧客本位の業務運営に関する原則」を実施しない場合は、その理由や代替策を分かりやすい表現で盛り込むことが求められる。

  7. 本原則を採択する場合、金融事業者は策定した業務運営に関する方針を定期的に見直す必要がある。
  8. [解説]
    適切である。「顧客本位の業務運営に関する原則」の原則1に該当し、「金融事業者は、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表するとともに、当該方針に係る取組状況を定期的に公表すべきである。当該方針は、より良い業務運営を実現するため、定期的に見直されるべきである」としている。

[要点のまとめ]

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